
『大正製薬 リポビタン 第47回全国選抜高校テニス大会』が博多の森テニス競技場で開催され、3月26日(水)は男女シングルス準決勝と決勝が行われた。
団体戦で決勝へ進出したシングルス1が加わる大会最終日は、女子準決勝で早坂来麗愛(仙台育英)が後藤七心(大商学園)を、川崎このは(野田学園)が石田実莉(神戸野田)を制して決勝へ駒を進めた。


女子決勝は約3時間に及ぶ長い試合となり、早坂が苦しみながらも久々の頂点に立った。早坂は2023年に全国選抜ジュニアで優勝をしているが、24年には決勝には進むものの勝ち切れないことが続いていたのだ。
ショットの威力は申し分ないが、思い切り打ってミスすることも多く、「パワーで押せないのなら、つなぐしかないのか」と考えたこともあったと言う。しかし、「それでは自分のプレーではないと思い、行ける時が来るまでは粘り、行ける時はどんどん打っていこう」と決意した。

決勝の相手の川崎は、ミスが少なく、深くにしっかりとコントロールしてくるため、得意なタイプとは言えない。予想通り、早坂が決めるかミスをするかで試合は進み、競りながらも第1セットを奪取した。
しかし、第2セットでは早坂のサービスもストロークも確率が下がり、1-6で失いファイナルセットへ。「0-0だと思って、ここから始まるんだと思って切り替えるようにしました」という早坂がブレークしてスタート。すぐにブレークバックされ、再び拮抗した試合となる。
チャンスはあってもゲームを取り切ることができずに、タイブレークに突入。どちらが勝ってもおかしくない試合内容で、勝利を引き寄せたのは、高校1年生の早坂だった。「自分1人だったら多分勝てていません。いつもサポートしてくれ方々がいるからこそ、きつい場面でも踏ん張ることができたと思います」とファイナルタイブレークを制した理由を明かした。

今大会の優勝者にはUSオープンジュニア予選のワイルドカードが与えられる。「海外の選手だと自分のパワーが通用しなくなることがあると思うので、もっとしぶとくプレーすることや、今、課題にしているネットプレーを磨いて挑みたいです」と抱負を語った。
彼女のショットの威力は、世界に行けば特別ではなくなるだろう。その中で勝てるための自分のプレースタイルを探す重要な機会となるに違いない。
【3月26日(水)の試合結果】


■女子個人戦 準決勝
早坂来麗愛(仙台育英)7-5,6-1 後藤七心(大商学園 )
川崎このは(野田学園) 6-2,6-3石田実莉(神戸野田)


■女子個人戦 決勝
早坂来麗愛(仙台育英)6-4,1-6、7-6(4) 川崎このは(野田学園)
取材・写真/赤松恵珠子