1月21日 全豪オープ 大会8日目

錦織圭(日清食品)がまたまた、また大逆転で勝った。4回戦で第23シードのP・カレノブスタ(スペイン)に、6-7 (8), 4-6の2セットダウンから7-6 (4), 6-4, 7-6 (10-8)の大逆転勝ちを収めた。
2016年以来3年ぶり4度目のベスト8進出を果たした。試合時間は5時間5分の激戦だった。
「厳しい戦いだった。(ファイナル・セットの最後の方は)どんなプレーしたのか覚えていないが、最高の戦いをみせることできた」。

錦織の準々決勝は23日(水)、4強入りをかけ世界1位のN・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。対戦成績は錦織から2勝15敗

錦織圭テニスでは押していたが
2セットダウン!

カレノブスタとは初対戦。しかし、一緒の大会に出場した時は実戦形式の練習は何回かしている。
ストロークがしっかりとしている代表的なスペイン系テニスのファイターだ。

「ラリーが長くなるのは覚悟している」と話していたが、いきない凄いラリー戦。
先にブレークするがすぐにブレーク・バックされタイブレークに。

「第1セット、大事なポイントで上手くいっていれば、6-3か6-2で取れていたかもしれない」と錦織がふり返るように。
オープニングゲームを含め錦織には8回ブレーク・チャンスがあったが、取れたのは2回だけだった。
タイブレークを8-10で落とす。

第1セットはチャンスがありながら取れなかった

第1セット、カレノブスタの取ったポイントは52、錦織はそれより5ポイント(1ゲームより多い)57ポイント。
テニスでは有利に攻めていた錦織だったが、第1セットを取ったのはカレノブスタだった。

「第2セットは彼もいいテニスをしていた」と勢いに乗ったカレノブスタ。やや焦りの出る錦織。

先にサーブを落とす。第8ゲームで15-40とブレーク・バックのチャンスがあったが、ブレークできない。

「バックがしぶとい感じだった。特に第1セットや第2セットはクロスが多かった。ミスしてくれない。
第3セットはバックのダウン・ザ・ラインを打ってきた。
攻撃力はなくてもバックの安定さがあって、気持ちが焦ってしまった。
フォアも振り抜いて形を作るといいのが来るのがわかった」

なんと2セットダウン。第5ゲームをブレークされる。
「相手の調子が上がってきて、第3セットも先にブレークされて、悪いまま終わるかもしれない」と思ったと言う。
「ただ、風上に行けばたまにチャンスが来ると思っていた。そのサイドは気合を入れてやった。
今日は集中力を切らさずにできた」とすぐにブレーク・バック。
タイブレークを取る。

第4セットは最初のサーブをブレークするが、ブレーク・バックされ2-2。
またブレークして6-4で取り、2セットオールに持ち込む。大盛り上がりの観客。

ファイナル・セットは第3ゲームを先にブレークし、5-4、サービング・フォ・ザ・マッチになる。
「(競り合いでのファイナル・セット、5-4なので)落とすかもしれないと思っていた」と錦織は言う。
今までの経験で、そうなっても大丈夫と気持ちを入れ替え、スーパータイブレークの準備をしていたのだろう。

あと2ポイントで負けが決まるピンチ

ところが、10ポイント先取のタイブレークは5-8となってしまった。あと2ポイントで負けが決まってしまう。
ここでハプニングが!

攻められたカレノブスタのパッシング・ショットはネットに当たり、高く短く跳ねてコートの隅に落ちる。
錦織はそれをバック高い打点で決めた。
しかし強打する直前にアウトのコール。
そのコールにカレノブスタはチャレンジを要求。スロー再生だとライン上にのっていてインの判定だ。

インでそのボールが入っていても錦織は「簡単にそのボールを決めることができた」と主審は判定、錦織のポイントにする。

その判定は、おかしいと抗議する

するとカレノブスタは「それではチャレンジの意味がないではないか?錦織にとってはアンラッキーなことだが、これがルールだ」と主張して譲らない。
コートサイドのスーパーバイザーの方も見て主張するが、錦織のポイントとなり6-8で続行。
怒りの収まらないカレノブスタのプレーの質が落ちた。

「スーパータイブレーク5-8だったので、よく耐えたと思う。
今日は集中しすぎて終わった時に5時間もやったの?という感じだった。」と錦織。
ちょっとスッキリした終わりかたではなかったが、「勝った要因は経験や体の強さなど積み重ねだと思う」と錦織が言うように、体が強くなった錦織の最後まであきらめない気持ちが勝利をよんだ。

2019全豪オープン
<<男子準々決勝>>
1)N.Djokovic(SRB) vs 8]錦織圭
16]M.Raonic(CAN) vs 28]L.Pouille(FRA)
14]S.Tsitsipas(GRE) vs 22]Bautista Agut(ESP)
2]R.Nadal(ESP) vs F.Tiafore(USA)

<<全4回戦>>
◎1)N.Djokovic(SRB) 64 67(5) 62 63 ●15)D.Medvedev(RUS)
◎8]錦織圭 67(8) 46 76(4) 64 76(10-8) ●23)Carreno Busta(ESP)
◎16]M.Raonic(CAN) 61 61 76(5) ●4)A.Zverev(GER)
◎28]L.Pouille(FRA) 67(4) 64 75 76(2) ●11]B.Coric(CRO)

◎22]Bautista Agut(ESP) 67(6) 63 62 46 64 ●6]M.Cilic(CRO)
◎14]S.Tsitsipas(GRE) 67(11) 76(3) 75 76(5) ●3]R.Federer(SUI)
◎F.Tiafore(USA) 75 76(6) 67(1) 75 ●20]G.Dimitrov(BUL)
◎2]R.Nadal(ESP) 60 61 76(4) ●T.Berdych(CZE)
男子本戦ドロー
男子予選ドロー

積極的なプレー錦織圭

詳しい試合内容は森下泰 Facebook

記事:塚越亘/塚越景子/森下泰/小林粛 写真 W.Tsukagoshi/TennisJapan/CanonEos7D