錦織圭(テニス)米国カリフォルニア州で開催中のBNPパリバ・オープンは、現地時間3月12日に男子3回戦を行い、第16シードの錦織圭はカルロス・ベルロックと対戦。2-6,2-6で敗れ、4回戦進出は成らなかった。

メンフィスで痛めた左脇腹は、やはりこの日も錦織を悩ませた。動きそのものは悪くないが、やはりサービスが6~7割り程度でしか打てない。スピードも100マイル(約160キロ)を割ることが多く、自らのサービスゲームでリズムを作ることが出来なかった。

もっとも、チャンスが全く無い訳ではなかった。第1セットの序盤に迎えたリターンゲームで錦織は0-30とリードし、次のポイントでも絶妙なドロップボレーを沈める。だが決まったかに思われたそのショットを、ベルロックはぎりぎりで拾って切り返した。

序盤でブレークを奪いたかった錦織は水をさされ、対するベルロックはこのプレーを機に勢いを得る。特にこの日のベルロックは、サービスが良かった。

「ここのコートは跳ねるので、高いサービスに苦しめられた」と錦織が言う通り、ファーストサービスからもスピンサーブを多用してくるベルロックの戦術にも苦しめられ、リターンの良い錦織がこの日は一つのブレークチャンスを握ることすら出来なかった。

ストロークで組み立てたい錦織にとっては、リターンで「リズムが作れなかった」のは痛手だ。また、本人は「サービス以外の動きに影響は無かった」とケガを言い訳にはしないが、来週の大会のことも考え、大きなリスクを犯したくはなかったという面もあったろう。
 
次に控える大会は、これもマスターズ1000のソニー・オープン。シード選手の錦織は1回戦免除になるため、次の試合までは一週間以上はあく。

「まずは少し休んで、そのあとトレーニングも含めて練習をしていきたい」

マスターズでの上位進出を目指す錦織にとって、次の大会までの調整がシーズン前半戦の大きな鍵になりそうだ。

※写真は,BNPパリバ・オープンのシングルス3回戦でバックハンドを放つ錦織圭
photo by hiroshi sato