9月12日、2020 USオープン 13日目。
大坂なおみ(日清食品、22歳)が、元世界女王の ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ、31歳)を1-6、6-3、6-3で破りUSオープンに優勝した。
USオープンでは2018年以来2年ぶりの優勝。グランドスラム大会では2019年全豪オープン以来の優勝。
2回で中国の李娜と並んでいたアジア選手のグランドスラム大会シングルス優勝回数を3とし、単独最多となった。
来週14日(月)発表の最新世界ランキングで3位になる。
大坂なおみ
1-6 0-3 となりそうなピンチ!から挽回
<<決勝>>
◎4]大坂なおみ 16 63 63 ●V・Azarenka(BLR)
対戦相手は元No.1で、2012、2013年USオープン準優勝のV・アザレンカ(ベラルーシ)。
大坂のサーブで始まるが、オープニングゲームを落とす。
アザレンカはセリーナ・ウィリアムズとの準決勝と違い、最初から調子の良いテニスをしている。
主導権を握り大坂を走らせている。
なんと第1セットはアザレンカが6-1で取る。
昨日までの完璧なプレーと違う大坂は、第2セットも最初のサーブを落とし0-2と大ピンチ。
「ここからファイトする姿勢を見せて欲しい」とWOWOWの解説者伊達公子が応援コメントするほどだ。
大坂もその時に「1時間も持たずに負けたら本当に恥ずかしい。とにかく一生懸命プレーしよう」と思ったと言う。
ドロップ・ショットなど決められ、0-3となりそうなゲームポイントもあったが、デュース後に初めてのブレーク・チャンスを掴んだ。
アザレンカのフォアがロング、大坂が1-2とブレーク・バックした。
ちょっと流れが変わりそう。
第7ゲーム、初めてのアザレンカのダブルフォルトなどがあり、0-40とブレークのチャンスが来る。
15で大坂は4-3とブレーク。
アザレンカ、3-5のサービスゲームは40-15だったが、デュースに持ち込む。
4回目のデュース、ここまで8分以上かかっている大事な勝負を分けそうなゲーム。
大坂はフォアのストレートのリターン・エースを決め、このゲーム2回目のセットポイント、
フォアをまた決めて大坂、第2セットを6-3で取り返した。
よく0-3になりそうな場面から挽回した大坂 凄い成長。
ファイナル・セット
最初のサーブ、オンラインのボールを二つ決めて大坂がキープ。
シンプル、かつ大胆なテニスに戻ってきた大坂。
第4ゲームをブレークし、3-1とリード。
しかし、第5ゲームでは0-40とピンチ!
ここを粘り、大坂4-1キープした。
アザレンカも粘る。15-40からデュース5回、勇気あるドライブ・ボレーを決めるなど、ブレーク・ポイント4つをセーブし2-4と良くキープした。
するとアザレンカにもチャンスが、
大坂の40-15からデュースに持ち込みアザレンカは3-4とブレーク・バックした。
完璧主義者の大坂、動揺するか?と思われたがアザレンカがここで珍しく安全にプレーし、サーブを落とす。
最後の最後まで勝負のゆくえが判らず、二転三転した決勝戦だったが、大坂が見事に勝ち切った。
ウィム・フィセッテ新コーチ、中村豊新ストレングス・トレーナー、 茂木奈津子アスレティック・トレーナーたちとはお互いに尊敬しあい、チームワークもうまくいっているのだろう。
それと人種差別抗議のマスク着用も、良い意味で大坂に責任感とエネルギーを与えているようだ。
賞金総額$53,402,000(約60億円)
会場:USTA Billie Jean King ナショナルテニスセンター
NY現地時刻(時差-13時間)
本戦:8/31 - 9/13,2020
<<決勝>>
◎4]大坂なおみ 16 63 63 ●V.Azarenka(BLR)
<<準決勝>>
◎4]大坂なおみ 76(1) 36 63 ●28]J.Brady(USA)
◎V.Azarenka(BLR) 16 63 63 ●3]S.Williams(USA)
<<準々決勝>>
◎28]J.Brady(USA) 63 62 ●23]Y.Putintseva(KAZ)
◎4]大坂なおみ 63 64 ●S.Rogers(USA)
◎3]S.Williams(USA) 46 63 62 ●T.Pironkova(BUL)
◎V.Azarenka(BLR) 61 60 ●16]E.Mertens(BEL)
<<4回戦>>
ケニン、ケルバー、クビトバなど4大大会覇者敗れる
◎28]J.Brady(USA) 61 64 ●17]A.Kerber(GER)
◎23]Y.Putintseva(KAZ) 63 26 64 ●8]P.Martic(CRO)
◎4]大坂なおみ 63 64 ●14]A.Kontaveit(EST)
◎S.Rogers(USA) 76(5) 36 76(6) ●6]P.Kvitova(CZE)
◎T.Pironkova(BUL) 64 67(5) 63 ●A.Cornet(FRA)
◎3]S.Williams(USA) 63 67(6) 63 ●15]M.Sakkari(GRE)
◎V.Azarenka(BLR) 57 61 64 ●20]K.Muchova(CZE)
◎16]E.Mertens(BEL) 63 63 ●2]S.Kenin(USA)
大坂、1回戦では土居美咲(ミキハウス)を6-2、5-7、6-2
2回戦でカミラ・ジョルジ(イタリア)を6-1、 6-2、
3回戦では18歳のマルタ・コスチュク(ウクライナ)に苦戦するが、6-3、6-7(4)、6-2で破っている。
女子ドローPDF
シングルス賞金(男女同額)
優勝:$3,000,000(3.3億円)
準優勝:$1,500,000(1.6億円)
ベスト4:$800,000(1億円)
ベスト8:$425,000(4600万円)
4回戦:$250,000(2700万円)
3回戦:$163,000(1800万円)
2回戦:$100,000(1100万円)
1回戦:$61,000(670万円)
賞金ブレークダウン($1=約110円)
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— Kei Nishikori (@keinishikori) September 12, 2020
記事:塚越亘 塚越景子 写真 ©US OPEN