今年2つ目のグランドスラムとなる『全仏オープン』が開幕した。日曜日から始まる今大会、センターコートのオープニングマッチを飾った日本の大坂なおみ(世界ランキング2位)は、ルーマニアのパトリシア マリア・ティグ(63位)に6−4、7−6(4)で勝利し、2回戦へ進出した。

 昨年は全米優勝直後のスケジュールとなり、故障で全仏に参戦しなかった大坂と、その全仏で自己最高の3回戦へ進出したティグとの対戦は、お互い序盤は固さが見られたものの、大坂の強打、ティグのドロップショットなど、持ち味を見せた展開となった。

 第1セットは第2ゲームで早くもティグのサービスをブレークした大坂が、一気に5−2のセットポイントまで突き進むが、大事なポイントでミスが出て、5−4に追いつかれる。しかし、サービスゲームを落とした後の第10ゲームでティグのサービスをリターンで攻め、ラブゲームでブレークに成功し、このセットをものにした。

 第2セットはお互いにサービスキープが続きタイブレークへ。大坂のサービスの調子が上がるのとは逆にティグはファーストサービスが入らず、ダブルフォルトも犯す。5−2リードから大坂のミスで5−4となるが、パワフルかつコントロールされたショットで相手をベースラインに釘付けにすると、7−6(4)で勝利を収めた。

スコアこそ競ったものの、全体的には大坂のショットがティグを上回っていたこの緒戦、球足の遅いクレーコートならではの、ロングラリーはほとんど見られなかったが、全仏初制覇に向けて好発進を切ったと言っていいだろう。

2回戦はアナ・ボグダン(ルーマニア/102位)と対戦する。

1回戦勝利の日比野菜緒 photo H.Sato


また、日比野菜緒(82位)も1回戦を戦い、セルビアのニナ・ストヤノビッチ(87位)に7−6(4)、6−2で勝利した。

第1セット立ち上がりこそ2ゲーム先行されたが、堅実なリターンで相手にプレッシャーをかけタイブレークへ持ち込むと、相手のダブルフォルトを誘発し、このセットを先取する。

お互いブレークが続いた第2セットだが、3−2となった次の長いゲームを制し4−2とすると、相手はミスを連発、日比野が2ゲーム連取し、この試合を制した。

日比野は2回戦、第21シードのエレナ・リバキナ(カザフスタン・22位)と対戦する。

■全仏オープン(グランドスラム)/2021年5月30日~6月13日/フランス・パリ・ローランギャロス/クレーコート

全仏オープン1回戦に勝利した大坂なおみ photo H.Sato