6月4日(金)全仏オープン

全仏オープン6日目、男子シングルス3回戦で錦織圭(日清食品)が、予選から勝ち上がってきたアンリー・ラークソネン(スイス)の途中棄権で勝利を掴んだ。
第1セットの第4ゲームで左内もも内転筋を痛めたラークソネンが、第2セットの第1ゲームの途中で棄権した。

錦織は1回戦で予選から勝ち上がったA・ジャンネッシ(イタリア、159位)と4時間3分、
2回戦でも第23シードのK・ハチャノフ(ロシア)と4時間(正式時間は3時間59分)。2試合連続4時間のフルセットの激戦を戦い抜いていた。
一方ラークソネンも厳しい予選を3試合勝ち抜き、本戦でも2試合と体力を使い切っていた。
「ラークソネンが怪我をしてなかったら、自分が怪我をしていたかもしれない」と錦織。

錦織、グランドスラム大会では2019年ウィンブルドン以来の4回戦進出。
次戦はベスト8入りをかけて、世界6位のアレキサンダー・ズベレフ(ドイツ)と対戦する。

錦織対ズベレフの対戦成績は1勝4敗。ふたりは今季の全仏オープン前哨戦で2度顔を合わせている。
ズベレフが優勝したATP1000マドリードオープン2回戦では3-6、2-6。
続くイタリアンオープン3回戦では6-4、3-6、4-6と逆転で敗れている。

錦織圭
自分が怪我していたかも

<<男子シングルス3回戦>>
◎錦織圭 7-5 0-0ret. ●H・ラークソネン

スイスのH・ラークソネン(150位)は厳しい予選を勝ち上がってきた29歳。2回戦では第11シードのバウテイスタ アグート(スペイン)を破っている。

第1セット

13時19分、ラークソネンのサーブで始まる。
ダブルフォルトもあるが、サービス・エース2本を決めキープした。

1-2、錦織のサーブ、30-0、錦織のワイドへのサーブを返そうとした時に異変が起きる。
ワイドサーブで外に追い出され、追おうとした時にラークソネンは左内ももの内転筋を痛めたのか?

ラブで錦織が2-2とキープした時、
ラークソネンはメディカル・タイムアウトを取り、医務室に消えた。

コートに戻るも明らかにラークソネンの動きはおかしい。
ボールに対応できない。一発勝負をかけてくる。

錦織がブレークし、4-3となるが、ラークソネンがブレーク・バック4-4とする。

錦織もいつ辞めるかわからない相手のプレーにリズムが取れず、ネットやロングなどしてしまう。

5-5、ラークソネンのダブルフォルトで15-40となるが、なんと9回のデュースが繰りひろげられる。
その上、雨が降り出した。
このゲームだけで11分、バックのリターン・エースを決め錦織がブレークした。(14時10分)

ここで雨の中断 
約40分の中断、14時50分に二人がコートに現れ再練習を始める。

ラークソネンはリターン・エースを狙うが決まらない。
15で錦織がキープした。

7-5、ポイント数は錦織の44に対してラークソネンの40。
試合時間は53分、結構競り合った第1セットだった。

第2セット

ラークソネンのサーブ、15-30、セカンドサーブを錦織がストレートにリターン・エースを決めたところでラークソネンは試合を諦め握手を求めた。

「(ラークソネンが)ケガしていなかったら、自分がケガをしていたかもしれない。
そう考えると運が良かったとしか言えない」。

「ラークソネンは序盤に良いプレーをしていた。
あそこまでフォアがいいと思わなかった。
先週から予選を戦ってきて、今週でかなり自信をつけてプレーしてきている。
ランキング以上のものは確実に持っていたので、ちょっと怖さはあった」。

「正直、1、2回戦はまったく楽しくなかった。
体力的に辛かったし、正直全然良いプレーはできなかったので、自分と戦うところが多かった」。

「マドリード、ローマとクレーで良いプレーしていて自信もついてきたが、
やっぱりグランドスラムの緊張感なのか、思い通りのプレーはできなかった」。

「それを乗り切って、頑張ったかいが今日はあったのかな」。と勝ちを拾った錦織。

「(ズベレフに2連敗だが)自分にプレッシャーがないぶん、若干自分の方が思い切ってプレーできるかなと思う」
ベスト8入りをかけての錦織圭vsズベレフは6月6日(日)、21時からのナイトセッションになった。(日本時間7日早朝4時以降から)

16強となった錦織圭

記事:塚越亘 塚越景子 写真 H.Sato