9月11日(土)、札幌市平岸庭球場にて開催中の『Uchiyama Cup』が本戦5日目を迎え、シングルス準決勝2試合と、ダブルス決勝1試合が行われた。
シングルスは鈴木昂(イカイ)を破った白石光(早稲田大学)と、竹島駿朗(Team REC)を破った第1シードの島袋将(有沢製作所)が決勝へ進出。現役早大生、OBとの対戦となった。
白石は準決勝のファイナルセット、鈴木に先にブレークされるという展開になったが、「ファイナルセットで相手がファイトして声を出して取りにきていることがわかっている中、”元気で大人に負けていたらいけないな”と思い、気持ちで負けないようにした」と自らを奮い立たせ勝利をもぎ取った。
島袋とは2018年の全日本選手権で対戦し、当時高校3年生だった白石が、1−6、6−7(3)で負けている。「今でもよく一緒に練習をしたり、同じ大会に出たりしていることもあるけれど、それ以来対戦したことがない。大学を出て海外を回っている選手なので、自分がどこまでできるか挑戦者の気持ちで戦いたい」と意気込んだ。
その島袋は、2回戦で足首を痛めるというアクシデントもあり身体は万全ではない状態。さらに、強風で持ち味の強打を封印される中、竹島との対戦では苦戦しつつ勝ち上がる。
「試行錯誤しながら、知恵を絞りに絞って戦った。それが勝ちにつながったのは大きいし、自分のテニスの幅においても役に立つと思う。第2セットでは竹島さんにブレークポイントを握られる場面もあったが、それをうまく我慢して切り抜けられたのが大きかった」
待ち受ける大学の後輩、白石との対戦には「先輩としての意地や、プライドを見せたいし、その中でもしっかり相手をリスペクトして戦いたい」と、その挑戦を受け止める覚悟だ。
決勝は主催者である内山靖崇のYouTubeチャンネル「うっちー教室」で生配信される予定。
ダブルス決勝は、経験の河内一真(フリー)/鈴木昂(イカイ)組、若さの柚木武(チームralosso)/楠原悠介(伊予銀行)組との対戦となった。連戦による疲れが見えた鈴木のサービスゲームを第1ゲームでブレークした柚木/楠原が勢いに乗り、6−2、6−3で優勝。190cm超えの長身から繰り出す柚木のパワーあるサービスと、楠原のテクニックが見事に噛み合い、サービスキープに一切の隙を見せることがなく、『Uchiyama Cup』初代王者に輝いた。
「大会が中止になっていく中、開催していただけて本当に良かった。楠原さんは一つ上の先輩ですが、いつも楽しくできるし、慣れもあるので戦いやすい。また機会があったらお願いしたい。シングルスはケガでリタイヤしてしまい、フィジカルの大切さを改めて感じているので、今後はトレーニングも頑張っていきたい」(柚木)
「自分たちはサービスキープが基本で、どこでブレークできるか、というところで苦しむので、今日の試合は最初のゲームでプレークできたのが大きかった。(柚木は)同じ法政大学出身で、学生時代も一般大会に一緒に出ていた。パワーがあるので安心感があり、JTA大会だといまだ無敗。その中でも賞金総額300万円の大会は初優勝なのでとてもうれしい」(楠原)
「試合するごとにペアとしての息は合ってきていたが、今日は相手の方がペアとしての完成度が高く、一枚上手(うわて)でなかなか崩せなかった。まだまだ練習が必要だと感じている。でも、JTTレベルで決勝進出は初めてだったので、これを自信に今後も頑張っていきたい」(河内)
「ファーストセットで離されたぶん、そこで相手にプレッシャーがかからなかった。そうなるとどんどんショットが入ってくるので、最初からセカンドセットのような接戦に持ち込めれば、わからなかったと思う。自分はJTTの決勝は何度か進んでいるけれど、なかなか優勝ができないので、次は優勝したい」(鈴木)
【Uchiyama Cup】
2021年9月11日(土)10:00〜 札幌市平岸庭球場
男子シングルス準決勝 白石 光 [4]−鈴木昂 6-2 3-6 6-3
男子シングルス準決勝 島袋 将 [1]−竹島駿朗[6] 6-7(4) 7-5 6-2
男子ダブルス決勝 柚木 武/楠原 悠介−河内 一真/鈴木 昂 6-2 6-3
男子シングルス準決勝とダブルス決勝はこちら
【9月12日のオーダー・オブ・プレー】
札幌市平岸庭球場 – Aコート 11:00〜
男子シングルス決勝 島袋 将 [1]−白石 光 [4]−鈴木昂
表彰式
記事:保坂明美 写真:長浜功明/Uchiyama Cup