プロと高校、大学生がともに戦い、試合経験を積む『橋本総業 みらいカップ2021』女子の部が10月18、19日の2日間にわたり、吉田記念テニス研修センター(TTC)で開催された。

全日本選手権(10月27日から予選、30日から本戦)を前に、同じサーフェスとボールを使用し、シングルスを行う。

 決勝は第1シードの波形純里を準決勝で倒した第5シードの阿部宏美(筑波大学)と、第2シードの瀬間詠里花(橋本総業HD)の対戦となった。

1セットマッチで行われるため、1ゲームブレークされたらそれが命取りとなる緊迫した展開になる。序盤は長いラリーでお互いキープを続けたが、2−2の第5ゲーム目、「気持ちとしてはミスをしないようにと思っていたのですが、ボールは良かった」と阿部が語るように、フォアハンドのスピードショットで瀬間のサービスゲームをブレーク。その後はキープを重ね、6−4で優勝を果たした。

深いボールで相手の攻め手を防ぎ、優勝した阿部宏美

「インカレでは先にリードしていたにも関わらず、挑戦者としてぶつかってくる相手に対して弱気になり逆転されることがありました。今日は相手がプロということで、自分の方が挑戦者の気持ちで戦えました」と阿部は素直に喜んだ。

最終ゲームもデュースまで粘った瀬間は「阿部さんのボールが深くて、先に前へ出られてしまった」と悔やむが、「1セットマッチなので、毎試合高い集中で臨まないといけないので、全日本のような緊張感の中で戦えました。遠征から帰ってきてこういう試合ができるのは、本当にありがたいです」と、大会への感謝を述べた。

激しいラリーを繰り広げた瀬間詠里花

今大会は本戦のトーナメント以外にもコンソレーションがあり、2回戦敗退者とコンソレ敗退者には4ゲームマッチの練習試合が組まれた。慶應大学の永田杏里や、四日市商業高校の小畑莉音、橋本総業HDの坂詰姫野らが、全日本選手権へ向けて多くの試合をこなす姿が見られた。

表彰式が終わった後、すでにベテランとも言える瀬間が、大学3年生の阿部から進路について相談を受ける姿があった。試合だけではない交流も、この大会の良さと言えるだろう。

優勝した阿部宏美

準優勝の瀬間詠里花

20、21日には男子の部が開催される。

■橋本総業 みらいカップ 2021 女子結果

優勝  阿部宏美(筑波大学)
準優勝 瀬間詠里花(橋本総業HD)
コンソレ優勝  重田夢亜(フリー)
コンソレ準優勝 奥脇莉音

取材/保坂明美 写真/伊藤功巳(プレー写真)保坂明美(表彰写真)