西岡良仁(ミキハウス)が遠征に旅立ったのは昨年の暮れ、12月28日。
昨年の夏に右手首を痛め、バックが思うように打てず不振に落ち込んでいたこともあり、オーストラリアシーズンはうまくいかないことがたくさんあった。
TV中継された試合でラケットを投げてしまい不評を買い、自身でも気持ちが折れそうになる。
「皆さんを不快な気持ちにさせてしまったりして、本当に申し訳なく思っています。
本当にすいませんでした。
叩たかれ、色々と言われたたりして、本当にそうだな(と反省)するところもあって、
その時はもう日本に帰りたいと正直思いました。
でもその時にグッと我慢、勝てていないことも考え、自分がやらなくてはいけないことは帰らず戦くことと決心。
アメリカに渡り(下部ツアーの)チャレンジャーに挑戦。 
そこで勝てなかったらどうしようと言う不安もありましたが戦い抜けて良かったです」。

西岡良仁失意のどん底ながらチャレンジャーに挑戦
優勝

全豪オープン前哨戦、全豪オープン、そこからアメリカでのチャレンジャーに挑戦。
大会のレベルを下げ、勝利を取りにいったその1回戦の対戦相手は綿貫陽介(フリー)だった。
プレッシャーの中、西岡は綿貫を破るとその大会で優勝。
翌週のチャレンジャーでも準優勝する。
「不安を自信に変えられた」。

そしてツアー3戦目、アカプルコで行われたATPツアー500「アビエルト メキシコ・オープン」では予選1回戦で負けそうになるが予選を突破すると、2回戦では世界16位で第7シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)を3-6 6-4 6-2で破って8強入り。準々決勝では男子テニスで史上最多の合計361週、世界ランキング1位を保持していたノバク・ジョコビッチ(セルビア)に変わり新No.1になることが決まった ダニール・メドベージェフ(ロシア)に2-6、3-6だったが、「世界一になるメドベージェフと試合出来たのは大変光栄でした。
対策がハマって、第2セットではリードしていた分悔しいですが、さすがの強さでした」。と西岡良仁
互角の勝負を繰りひろげた。西岡vsメドベージェフ ハイライト動画(0:00から2:20まで)
3/07の週から ATP1000インディアンウエールズ、連戦疲れで予選決勝ラウンドで敗退。
3/21の週は ATP1000マイアミ・オープン、予選から勝ち上がり32強とツアーを連戦、4月4日発表のATPランキングでは「全仏オープンにストレートで出られるトップ100」内、89位となった。
西岡のヨーロッパ遠征は4月25日から始まるATP250 ミュンヘン、かATP250 エストリルの予定だ。

西岡良仁エバンス破り32強

記事:塚越亘/塚越景子 photo H.Sato