4月9日~17日にイギリス・ウェールズにて開催された『全英ジュニア選手権・The Welsh Junior Open(英国カテゴリーのG2)』にて、日本人の湯藤泰寿(たいじゅ)、慶寿(けいじゅ)のきょうだいが、ダブルスでそれぞれ優勝を果たした。
2008年8月9日生まれの13歳、兄の泰寿はアーチー・グレーとのペアで、準決勝の接戦を制して決勝へ進出。レオ・ライト&ルイス・スチュワートを6(3)-7、6-4、10-8の逆転で下し、U14の優勝を収めた。
泰寿は「出場していた32名中26番目のランキングだった僕が、まさか優勝をできるとは思っていませんでした。パートナーとよく相手を観察して作戦を立て、それを落ち着いて実行したのが、自分たちよりもランキングの高い選手に勝てた理由だと思います」と冷静に勝因を語った。
弟の慶寿は2011年7月30日生まれの10歳。ハキーム・カマルとペアを組み、U 11にエントリーした。初戦でファイナル・10ポイントタイブレークを10-5で制して勢いに乗ると、その後、ストレートで勝ち上がり、決勝もジェームズ・マッケン&サミュエル・デ ランゲに4-3(1)、4-1(準決勝よりショートセット)で勝利し、優勝した。
慶寿は「シングルスでは準々決勝で6-3、4-1とリードしている所から逆転負けをして、とても悔しい思いをしました。その悔しさをダブルスで晴らすことができて、言葉が出ないほど、うれしかったです。パートナーのハキームくんとは初めて組みましたが、試合を積み重ねるごとに2人の息が合っていったのが、優勝できた理由だと思います」と、喜びを見せた。
プロを目指す2人は、松井俊英プロのオンラインサロンに入会し、ズームなどを用いて定期的にプロの経験を元にしたアドバイスをしてもらっているという。
「数年間にITF Juniorのランキングを世界1位にしてシニアに転向し、世界一位になりたいと思っています。将来は、日の丸を背負ってデビスカップで戦いたい」(泰寿)
「あと数回、シングルス、ダブルスの両方で全英ジュニアに優勝し、団体戦でもロンドン代表チームのレギュラーとしてチームの優勝に貢献したいと思います。将来は、日本代表の選手として、世界一のプレーヤーになりたいです」(慶寿)
トッププロを目指し、泰寿はフルタイムのテニスアカデミーに入学し、1日9時間のプログラムを行い、慶寿は地元の小学校に通いながら、週に5回、トレーニングを実施している。英国の地でひたむきに頑張っている2人に注目だ。
構成/保坂明美 写真/家族提供