一般社団法人プロテニスリーグ機構(以下PTL)が、テニス事業者と共に、イベントを通してより楽しいテニス環境の創出、観戦ファンの拡大、プロの認知度を高めることを目的としたイベント『PTLフェスタ』を開始した。
4月29日(祝)には、レッツインドアテニススクール八王子西(東京・八王子市)にて初めて開催され、あらかじめ準備をしていた120枚のチケットは完売、プロとコーチによるチーム対抗戦では、観客がバルーンスティックを叩きながら応援し、大盛況となった。
過去『PTLプレマッチ』においてプロ同士の団体戦を行なってきたPTLだが、さらなるファン拡大の必要性を感じて企画されたもので、スクールの生徒とプロテニスプレーヤーが接する機会を作り、テニス観戦の楽しさや、新たなモチベーションにつなげるというもの。
前半はプロと一般プレーヤーとのヒッティングイベント、後半はプロとコーチでチームを作り、団体戦を行う。試合間にはチアリーディングや的当てなどのエンターテインメントで場を盛り上げる。
この日は江原弘泰、竹島駿朗、倉持美穂という3名のプロが参加。江原、竹島はヒッティングイベントに参加し、倉持はヒッティングや試合の解説、バルーンアートで子どもたちと交流するなど、積極的に来場者とコミュニケーションを図った。
ヒッティングに参加した方からは「プロと打ち合えるなんて夢のような時間でした」と生きたボールを受けて興奮した様子。また、「足の動きや、打ち方など、本当にかっこよくて、たくさん動画を撮っちゃいました。これから応援したいと思います」と、チーム対抗戦を観戦したテニス歴1年半の方からの感想が寄せられる。大半がプロのことを知らなかったようだが、このイベントで一気にファンが増えたのではないだろうか。
コーチ同士のシングルス、コーチとプロとのダブルス、最後にプロのシングルスという形で双方の見せ場をうまくミックスさせたチーム戦を終えた竹島は、「最近ではプロのプレーを動画で見ることはできますが、すぐ近くで見るのとは、迫力が違うと思います。自分も応援していただけてとてもうれしかったし、こういう機会を増やしていけば、プロの認知度も上がってくると思うので、協力していきたい」と語る。
江原は「プレマッチとは違う感じで、こういう形もいいと思いました。コーチと生徒さんのコミュニケーションが取れているので、見る方の親近感もあり、ただプロのプレーを見るのとは違い、コーチを応援することからスタートできたのが良かったと思います。プロ同士のシングルスを最後に見ていただくことによって、プロの違いというもの見せられたのではないでしょうか。現在、100人規模で試合を見てもらえる機会はほとんどないので、ファンになっていただけるイベントになったと思います」と、手応えを感じている様子だ。
駐車場にはケータリングカーが出店し、フロントでは射的やバルーンアート、プロとコーチの似顔絵塗り絵コーナーや、コート内ではターゲットテニスやスピードガンなどが行われるなど、まるでお祭りのような空間が作られた。
テニスの愛好家とプロが交流を図ることができる機会は少ない。地道な活動ではあるが、テニス界にとって必要な取り組みではないだろうか。
取材/保坂明美 写真/北沢勇 保坂明美