10月2日(日)、有明コロシアム及びショーコート(江東区・有明)にてATP500『楽天ジャパンオープンテニス チャンピオンシップス』の予選が開催され、4名の選手が本戦出場を決めた。
清水悠太(三菱電機)は、オーストラリアのM・パーセルに6−3、6−4のストレート勝利。「胸を借りるつもりで思い切っていこうと思い、いつもよりアグレッシブにプレーした」と伸び伸びとしたスイングで主導権を握った。最近は、サービス力が上がったこと、ケガをしたときにボレー等の練習をしたことで「できることが増えた」と語る。
初めてのツアーについては「この舞台でプレーできて喜びを感じています。まだ舞い上がっている状態ですが…」と初々しさを見せた。
ITF大会で連勝中の野口莉央(明治安田生命)は荏原湘南スポーツセンター(SSC)の1つ上の先輩である高橋悠介(三菱電機)と対戦し、0−6、6−2、6−0で逆転勝利を収めた。柏でITFに出場していた野口は、前日は柏から有明のダブルヘッダーをこなしている。
「緊張と疲労があり、勝ちたい気持ちがあった」と第1セットを失う。しかし第2セットから「負けても今できることを全てやろう」と切り替えると、躍動感とともにボールに伸びが出てくる。第2セットの序盤でブレークすると、そのまま波に乗り、第3セットは6−0で勝利を収めた。
「予選は2戦とも日本人との対戦だったので、正直なところ、ATP500という感覚はまだあまりありません。本戦で海外選手と対戦する時に、どう自分の気持ちが動くのか楽しみです」と語った。
守屋宏紀(安藤証券)と島袋将(有沢製作所)の対戦は、ファイナルセットで島袋に軍配が上がる。
お互い緊張感のある展開となる中、第1セットは守屋が獲得。第2セットは次第にラケットが振れてきた島袋がサーブとリターンの強打で守屋を追い込みセット奪取。ファイナルセットは第8ゲームで、島袋が守屋のサービスをブレークすると、ラブゲームでサービスをキープし、5−7、6−3、6−3で本戦出場を決めた。
勝利を決めた瞬間、島袋は両手を高く掲げて喜んだ。
「最後まで本当に気の抜けない戦いの中、自分を信じてやり切れました。第2セット2−3、15−40の場面はメンタル的にきつかったのですが、“ここを踏ん張れば、チャンスはやってくる”と思っていたらサービスが良くなっていきました」と鍵となったポイントを解説する。
また、ほぼ同じタイミングでATP250の決勝を戦っている西岡良仁(ミキハウス)より、試合前「頑張れよ」と連絡があったとのこと。「西岡選手のようにツアーで活躍する姿を見ていると、むしろチャンスがあるんだとも思えます。自分も今大会で爆発して、ランキングを上げていきたい」と目を輝かせた。
なお、予選決勝で敗れた守屋宏紀は、C・ノリー(イギリス)の欠場により、ラッキールーザー(LL)で本戦入りした。
取材/保坂明美 写真/鯉沼宣之