10月1日、ITFワールドテニスツアーM25「かしわ国際オープンテニストーナメント」の男子シングルス準決勝と、ダブルス決勝が、吉田記念テニス研修センター(TTC /千葉県・柏市)にて行われた。

野口莉央

男子シングルス準決勝は、第1シードの野口莉央(明治安田生命)と、第4シードの越智真(江崎グリコ)が対戦し、6-3 6-3で野口が勝利、第6シードの川上倫平(マイシン)と、第5シードの田沼諒太(橋本総業ホールディングス)の対戦は、6-3 6-2で川上が勝利し、決勝進出を決めた。

川上倫平

男子ダブルス決勝は、第1シードの松井俊英(APF)/上杉海斗(江崎グリコ)ペアと、第2シードの田島尚輝(やまやコミュニケーションズ)/渡邉聖太(ノア・インドアステージ)ペアの対戦。松井は拠点としているTTCでの決勝とあって、観客も多く訪れた。

第1セットは松井のサーブと上杉のボレーが噛み合い、要所を押さえて先取する。第2セットはディサイディングポイントのブレークチャンスをことごとく逃した松井・上杉、反対に最後のワンチャンスでブレークを果たした田島・渡邉がこのセットをものにすると、試合はファイナルセットのマッチタイブレークへ。

田島・渡邉ペア

松井/上杉は3−5とリードを許すも、そこから怒涛の7ポイント連取。翌週の楽天ジャパンオープンにワイルドカードで本戦に出場する2人が、コンビネーションの良さを見せ、優勝を果たした。

2人は6月に開催されたグアム・ハモンでのITF M25以来、今季2つめのタイトルを獲得となる。この結果に上杉は「日本のITFは4年ぶりくらいだったのですが、試合前から気持ちがたかぶっていたし、危ない場面もあったけど、松井さんと最後まで楽しんでできました」と安堵の表情を見せる。

拠点とするTTCでの優勝を喜ぶ松井

プロ入り1年目で足の怪我に見舞われ、その後コロナのパンデミックでツアーが中止。年始から大会を回れるようになったのは今年が初めてとなる。ようやくツアーの一員として戦えていることを喜び、楽天ジャパンオープンでは「自分のレベルがどれだけ通用するか、チャレンジしたい」と笑顔を見せた。

その上杉の17歳年上、44歳の松井は、「有観客でたくさんの方に見ていただけたのは本当にありがたかったです。ダブルスは2人で戦うものなので、お互いの良いところが噛み合うようにしていきました。楽天に備えていい戦いができました」と手応えを掴んだ様子だ。

さらに、今大会を含め9週連続で大会を回る予定をしている。「あと8週ありますね」と笑いつつ、「僕にとってはラストスパート。どれだけできたかで来年を考えたい」とツアー生活の終わりが近いことを告白した。

韓国のチャレンジャー2大会の後は、全日本選手権、そして国内チャレンジャーに出場する予定だ。特に全日本は「スキップする選手も多いけど、追われる立場から逃げないこと、そしてこの大会の価値を高めていきたい」と、2連覇へ向けて意欲を見せた。

かしわ国際オープンテニストーナメント

取材/保坂明美