26日、オーストラリアのメルボルンで開催されているテニスのグランドスラムである全豪オープンは男子シングルス決勝が行われ、第8シードのスタニスラス・ワウリンカ(28歳、スイス)が第1シードのラファエル・ナダル(27歳、スペイン)に6-3、6-2、3-6、6-3で勝利、自身初となるグランドスラム優勝を果たした。
両者の対戦は、これまで12戦してナダルが12勝と圧倒していたが、この日は第1セットからワウリンカが積極的にウィナーを狙うプレーでナダルを圧倒、13戦目にして初めてナダルからセットを奪う。
第2セットに入ってもワウリンカの勢いは止まらず、序盤からブレークに成功してリードを奪う。何とか逆転のチャンスを狙いたいナダルだったが、ここで腰を負傷するアクシデントに見舞われる。明らかに動きの鈍くなったナダルは、何とかプレーを続けるも、試合の流れを変えることは叶わず、ワウリンカが2セットアップと、念願のタイトルにあと一歩に迫る。
第3セットに入ると、集中力が切れかかったワウリンカに対し、手負いのナダルが反撃に転じ序盤でブレーク。そのリードを守り切ったナダルがセットを奪取したが、第4セットは再び集中力を取り戻したワウリンカがナダルを押し切り、2時間21分で勝利の瞬間を迎えた。
グランドスラム14勝の記録を持つピート・サンプラスから優勝トロフィーを受け取ったワウリンカは「この大会は、僕にとって最高のグランドスラムになりました。昨年は大変な試合をして、負けてしまい、試合の後に号泣していました。この1年で多くのことがありました。今は、これが現実なのか夢なのか分かりません。明日の朝にわかるでしょう」と、初優勝の喜びを語った。
一方、思わぬアクシデントで不完全燃焼に終わったナダルだったが、「僕に起きたことは少し運がなかったけれど、彼は本当にチャンピオンにふさわしいよ」と、新しいグランドスラムチャンピオンを称えた。
準々決勝では、第2シードのノバク・ジョコビッチ(26歳、セルビア)をフルセットで破っているワウリンカは、トップ2シードを破ってのグランドスラム優勝となった。これは1993年の全仏オープンのセルジ・ブルゲラ以来の快挙となった。