30日、ヨネックス株式会社(東京、文京区)は今年1月にプロ転向した西岡良仁(18歳)と所属契約を締結したことを発表した。会見には同社の代表取締役である米山勉氏、西岡のアメリカ留学をサポートした日本テニス協会の名誉会長である盛田正明氏、そして父親でありコーチでもある西岡範夫氏も登壇した。
昨年の全日本テニス選手権で初出場ながらも準優勝という好成績を残している西岡は、中学3年生の頃より盛田正明ファンドのサポートを受け、アメリカのフロリダにあるIMGアカデミーに留学、世界トップレベルの環境でテニスのトレーニングに励んできた。
西岡はすでにシニアの大会でも実績を残しており、世界ランキングは378位と日本勢で10番手につけており、昨年はツアー下部大会で2週連続を含む3大会で優勝、今シーズンもすでに2大会で準優勝をしている。
小さい頃からヨネックスのラケットを使用してきたという西岡は「テニスを始めたときから、ヨネックスのラケット、ウエア、シューズを使ってきて、ともに成長してきたメーカと契約で来て、本当に嬉しく思います」と、契約の喜びを語った。
契約に至った経緯については、三重県にあるニックインドアテニスカレッジの校長でもある父親の範夫さんより説明があり「兄が最大の功労者」と西岡の成長の陰に家族の力があったことを明かすと、「小学生で3冠を達成したときからヨネックスを使っており、こうやってプロになれたのもヨネックスのラケットがあっていたから」と、まさに相思相愛であったことを強調した。
会見では、西岡が「盛田正明テニスファンド」の支援を得てアメリカ留学に至った経緯も本人の口より語られ「実はオーディションに2回ほど落選していた」という事実も明らかに。
これまで多くのジュニア選手を発掘、育成サポートを行ってきた盛田名誉会長は「IMGアカデミーは所属し続けるだけでも大変な所。プロになるまで所属できたのは、錦織圭と西岡だけ」と、現在の日本のエースで男子テニスの世界ランク18位である錦織を引き合いに出すなど、期待の大きさをうかがわせた。また「2020年の東京オリンピックで、彼は絶好調の年頃を迎える。ぜひ、メダルを取ってほしい」とエールを送った。
今後の目標について聞かれた西岡は「次はチャレンジャーでも良い結果を出したい。今年は世界ランクで200位を切って、グランドスラムの予選にでれるようにしたい。3年後には二ケタにしたい」としつつ、将来は「一番になりたい」と抱負を語った。
小さなころから「負けず嫌い」、好きな選手は元世界ランク1位のマルセロ・リオスと語った西岡。「見てて面白いと思ってもらえる選手になりたい」と語った西岡の目は、すでにはるか遠くを見つめていた。
※写真上段は、左から米山勉ヨネックス代表取締役、西岡良仁、盛田正明日本テニス協会名誉会長
下段、フォトセッションで笑顔をみせる西岡
写真:テニスナビ