10月5日(水)、有明コロシアム及びショーコート(江東区・有明)にてATP500『楽天ジャパンオープンテニス チャンピオンシップス』のシングルス1回戦3試合、2回戦2試合と、ダブルス1回戦の5試合が開催された。

前週の韓国オープンを優勝し、凱旋帰国した西岡良仁(ミキハウス)が、2試合目に登場。観衆からの大きな拍手とともにセンターコートに足を踏み入れた。

西岡は、対戦相手のミオミル・ケツマノビッチ(セルビア・33位)を「粘り強く、後ろから自分より強いボールを打てる」似たタイプでもあると評価する。

第2ゲームをいきなりブレークされるという立ち上がりとなったが、即座にブレークバックを果たすと、韓国での良さをそのままに、バックのアングルや、隙を見て前に詰める。6ゲームを連取して、西岡が6−2で第1セットを奪った。

続く第2セット、またもや西岡は第6ゲームで先にブレークを許すが、第9ゲームでブレークバックを果たし、試合はタイブレークへと持ち込まれた。

「セカンドセットを取らなければいけなかった」と西岡は振り返る。連戦の疲労で、体が重くなっていくことを感じていたという。長いラリーは西岡の真骨頂であるにもかかわらず、ケツマノビッチがポイントすることが多くなる。「あと半歩、あと1歩というところが足りないのがわかった」タイブレークを1−7で失うと、ファイナルセットは明らかに動きが重くなり、2−6で力尽きた。

「体力的なところも考え、ネットに出る回数を増やしていった。僕が狙ったときに入らなかったというちょっとした差だったと思う。今回はフィニッシングができなかっただけ。限られた体力の中でやろうとしたことは正しかったと思う」と、力は尽くせたことをポジティブに捉える。

ケツマノビッチ(左)と握手を交わす西岡

水曜日に設定されたとはいえ、優勝した翌週の試合というのは簡単ではない。他の大会であれば見送るが、東京には出たかった。何より、トップで戦っていくには、このようなサイクルで試合をしていくのが当たり前となる。そういうことも含め「チームで頑張ろう」と話して臨んだ今大会だった。

「サーフェス、ボール、気温も違う中、良いテニスはちゃんとできていたと思う」

次戦はアントワープ、ウィーン、パリを予定しているとのこと。残り3戦、西岡は「グランドスラムのシード選手になること」を見据えて戦う。

なお、内田海智と組んだダブルスは、第1シードのT・コキナキス/N・キリオス(オーストラリア)に1−6 2−6で敗退した。

取材/保坂明美 写真/伊藤功巳