ITF(国際テニス協会)公認の国際大会、浜松ウィメンズオープン(W25 賞金総額2万5千ドル)が、東急リゾートタウン浜名湖(浜松市北区三ヶ日町)にて大会7日目を迎え、シングルス準決勝と、ダブルス決勝が行われた。
シングルスの準決勝の1試合目は、華谷和生(三浦工業)対加治遥(島津製作所)の同期対決。華谷は高校卒業後、3年経ってからプロに。加治は園田学園女子大学に進学し、卒業後にプロ転向をした。日比野菜緒ら他の同期選手に比べれば、2人とも遅いプロ転向で短いツアーキャリア。それでも多くの試合経験を積み、着実に力をつけてきた足跡は、華谷と加治の共通項だろう。
そんな2人の一戦は、両者が歩んできた道と意地がぶつかりあうような激闘となる。第1セットは、高い軌道のスピンショットと、浅く沈める短いボールを織り交ぜる華谷のペースに、加治が自分のリズムを崩される。持ち味を存分に発揮した華谷が、第1セットを6-1で奪った。
第2セットに入ると、フォアのストロークを深く打ち込む加治が、自らに流れを引き寄せた。ゲームカウント2-2から抜け出した加治が、6―2でセットを奪い返す。
最終セットは、勢いに勝る加治が常にリードするも、その都度、華谷が食い下がる展開に。ゲームカウント4-3でブレークした加治が、5-3でサービングフォーザマッチを迎えるも、華谷がブレークバック。流れが変わるかに思われたが、最後は加治が三たびブレークし、7-5で最終セットをもぎ取った。
加治は「出だしは相手のリズムに自分が合わせられず、ミスが増えた。ストレスの掛かった試合ではあったが、まずはミスを減らし、サイドを狙いすぎず、しっかりラリーをすることに心がけたら、少しずつポイントが取れるようになった」と勝因を語った。
シングルス準決勝の第2試合、西郷里奈(TEAM自由が丘)と山﨑郁美(亜細亜大学)は、少女時代に通ったテニスクラブと高校を共にした同門決戦。年齢では西郷が一歳年長になる。
互いに手の内を知る顔合わせでは、過去の対戦成績で勝る西郷が立ち上がりを支配する。低い軌道の強打で攻め抜き、第1セットは6-2で西郷が圧倒した。
第2セットに入ると、今度は山﨑が主導権を握る。スピンの効いた重いショットを深く打ち込み、西郷の強打を封じた山﨑が6-1と走った。
最終セットも山﨑が、2ゲームをブレークし3-0とリード。だが、やや勝利を意識した山﨑のサーブの精度が下がったのを、西郷は見逃さない。山﨑のサービングフォーザマッチをブレークし、西郷が5-5と追いついた。
これで潮目は変わったかに思われたが、続くゲームを山﨑がブレークする。脚力を生かし、長いラリーをことごとくものにした山﨑が、3度のデュースの末に最終ゲームをキープ。先週の牧之原大会を制した山﨑が、2大会連続の決勝進出を果たした。
「自分ができることと言ったら一球ずつ返すことくらいなので、それを心がけたらボールが深く入ってくれて、相手のミスも引き出せたのかなと思う」と、山﨑は勝因を語る。
決勝の相手となる加治に対しては「オンコートもオフコートも、プロフェッショナルで尊敬している選手。やってきたことをぶつけるしかないので、目の前のポイントに食らいついていきたい」と意気みをみせた。
なお、この日はダブルス決勝が行われ、荒川晴菜(アオヤマスポーツ)/伊藤あおい(サリュートテニス専門学院)組が林恵里奈(セーレン)/森崎可南子(橋本総業ホールディングス)組を6-1,7-6で破って優勝。今大会で初めてペアを組んだ2人だが、趣味が同じで意気投合。ピンチの局面でも楽しむメンタリティと相手の裏をかく技術で、ダブルス巧者のペアを翻弄した。
浜松ウィメンズオープン(W25 賞金総額2万5千ドル) 大会スケジュール、ドロー、オーダーオブプレーはこちらから! シングルス準決勝 ◯加治遥 1-6 6-2 7-5 ●華谷和生[5] ◯山﨑郁美 2-6 6-1 7-5 ●西郷里奈[6] ダブルス決勝 ◯荒川晴菜/伊藤あおい 6-1 7-6 ●林恵里奈/森崎可南子[3] 10月16日(日)の対戦 シングルス決勝 11:00 加治遥 vs 山﨑郁美 |
資料・写真/浜松ウィメンズオープン