日本テニスの誇りと名誉をかけて戦う「大正製薬リポビタンPresents 全日本選手権97th」が、有明コロシアムおよびインドアコート（東京都・有明）にて行われている。10月30日（日）には、男子シングルス決勝と、女子ダブルス、男子ダブルスの決勝３試合が行われた。
フルセットにもつれる熱戦で、今井慎太郎が関口周一を倒し、初優勝を遂げた男子シングルスに続いて、女子ダブルスの決勝が行われた。
女子ダブルスは大会第１シードの瀬間詠里花＆小堀桃子（橋本総業HD）が、この大会で引退を表明している第４シードの今西美晴（EMシステムズ）＆大前綾希子（島津製作所）と対戦した。
強打が得意な今西・大前に、スピードを落としたボールで仕掛ける小堀・瀬間。第１セットは今西・大前が４−６でセットを落とすが、第２セットは次第に対応し、今西・大前が６−２で獲得する。ファイナルセットのマッチタイブレークでは、優勝して終わりたい大前・今西が気持ちで終始ポイントをリード。10-8で勝利を収めると、２人でコートに倒れ込んだ。
表彰式後は今西美晴の引退セレモニーが行われた。
「テニスを通じて自分を知ることができて、テニスを通じてまだまだ未熟者ではありますが、少しは成長することができたのかな、と思います。このように素晴らしいテニスというスポーツに出会えたことを誇りに思います。本当にみなさん、応援ありがとうございました」
とスピーチした。
今西美晴のコメント
「現役最後のダブルスで、1日でも２人で長くプレーしたいという思いが強かったということと、少しでもたくさんの人に見てもらいたい、プレーで感謝の気持ちを伝えたいという気持ちでいっぱいだったのですが、毎日ヒヤヒヤ、ドキドキでした。いただいたチャンスをここまで生かすことができて、最後はよかったのかな？幸せでした」
－－印象に残っている出来事、後悔は？
「この全日本選手権で優勝することを目標に頑張ってきて、優勝した場面も心に残っているのですが、（大前と）２人でダブルス優勝した年は、前日にシングルス決勝を２人で戦えて、これから戦うのに私は１人でウルウルしていて…。試合には負けけど記憶に残っています。後悔はないですね。つらいときはいつも誰かが助けてくださったので…後悔はないです」
大前綾希子のコメント
「正直言うと１回戦からほとんど記憶がないです（笑）。去年、井上選手と優勝できた後、今西選手から『来年は私とね』と連絡がありました。最初は冗談かな？と思っていたのですが、本当にいよいよ引退するということになって、２年連続とはなったのですが、私を選んでくれたと言うことがやっぱり嬉しかったので、美晴のために自分ができる全てのことを出し切ろうと、毎試合毎試合やりました。本当に記憶がないのですが…幸せでした」
－－来年のダブルスは？
「全日本のダブルスはもう卒業したいな、と思っています。これ以上のものが手に入るのか、と言う不安もあるし、ダブルスで３回の優勝と言う出来すぎるくらいの結果が優勝があったので、ダブルスはお腹いっぱいです。気持ち的にもやっぱりなかなか簡単なものではないし、自分にプレッシャー与えてまでというのがあるので…シングルス頑張ります！」
| ■全日本選手権 試合は『Japan テニスLIVE』で視聴可能。 男女シングルスは64ドロー、トップ16シードの選手は2回戦からの出場となる。 男女シングルスの優勝賞金は400万円。 副賞として優勝者と準優勝者には日本航空の往復チケットなどが贈られる。 10月30日（日）の試合結果 ＜＜男子シングルス 決勝＞＞ [1]○今井慎太郎（イカイ）7-5 4-6 6-3 [4]●関口周一（Team REC） 男子本戦ドロー 男子予選ドロー ＜＜女子ダブルス 決勝＞＞ [4]○今西美晴＆大前綾希子（EMシステムズ／島津製作所）3-6 6-2 10-8 [1]●小堀桃子＆瀬間詠里花（橋本総業HD） 女子ダブルスドロー ＜＜男子ダブルス 決勝＞＞ [1]○上杉海斗＆松井俊英（江崎グリコ／APF）6-3 6-4 [4]●仁木拓人＆柚木武（三菱電機／イカイ） 男子ダブルスドロー 賞金ブレークダウンなど オーダー・オブ・プレー、ドローなど |
記事：保坂明美 写真：鯉沼宣之/伊藤功巳
