木下グループジャパンオープン2023」(有明コロシアムおよびショーコート:10月16日(月)〜22日(日))は、20日、車いすテニスのシングルス、ダブルス決勝が行われた。

第1シードの小田凱人(東海理化・1位)と第2シードの眞田卓(TOPPAN・8位)というトップシードの対戦となった決勝は、木下グループアリーナで行われ、6-3,6-3で小田が今大会初優勝を果たした。

左利きから繰り出す回転の効いたサービス、前に落として強打で打ち抜く戦術など、小田の持ち味が随所に見られた。眞田もブレークバックを果たすなど、反撃を試みるが、小田のパワーはNo.1のそれだった。

「風がありながらもスピードのあるサービスと、曲がるサービスをうまく打ち分けられた。試合前にこの作戦があったわけではなく、コートに入ってからやった」と、その時の対応だったという。

この日はスタート時こそ、スタジアム半分ほどの観客数だったが、チェンジエンドごとに増えていき、後半ではほぼ満員となっていた。昨年の同大会の決勝で国枝慎吾さんと接戦を演じるも敗退し、今年はグランドスラム優勝、世界1位を最年少で成し遂げた上での出場となり、その知名度の向上を示してみせた。

今大会初優勝を果たした小田凱人 写真:鯉沼宣之

「普段なかなか日本の皆さんの前でプレーをする機会がないので、車いすテニスを広めるいいチャンスだし、それがこの大会でプレーをする意味だと思っていました。多くの人に見てもらえて、体感してもらえたと思う」と手応えを感じた様子だ。

表彰式には、今大会でトーナメントディレクターを務める国枝さんが登壇し、小田の優勝に拍手を送る姿があった。来週から始まるアジア・パラリンピックでは、優勝すればパリ五輪出場が決まる。小田はこうして国枝からバトンを引き継いでいく…。

なお、ダブルスは、S・ウデ(フランス/9位)/眞田卓ペアが、齋田悟司(シグマクシス・59位)/鈴木康平(AOI.Pro・18位)ペアを6-4 6-3 で破り、優勝した。

21日(土)は、B・シェルトン(アメリカ)vs M・ギロン(アメリカ)、望月慎太郎(IMGアカデミー)vs A・カラツェフ、ダブルスの準決勝1試合がコロシアムにて行われる。

10月21日(土)のオーダー・オブ・プレー

WOWOW生放送

決勝スコア
○小田凱人[1] 6-3 6-3 ●眞田卓[2]
○S・ウデ/眞田卓[1] 6-4 6-3 ●齋田悟司/鈴木康平[2]

取材/保坂明美 写真/鯉沼宣之、伊藤功巳