『大正製薬 リポビタン 第46回全国選抜高校テニス大会』の団体戦が博多の森テニス競技場で開催され、3月24日(日)は男女準決勝が行われた。

初の準決勝進出を果たした大商学園は、対戦相手の四日市商業とは昨年のインターハイの準決勝で敗れている。この日の試合も先にリードされる場面や、相手に猛追される場面もあったが、それを全て振り切り、3ー0で堂々の決勝進出を果たした。

「昨年までだったらね、あの流れで全部負けていたんですよ」

笹井伸郎監督は感慨深い表情で語る。気持ちを一つにし、勝利へ向かわせるために実践してきたのが、部員とのテニスノートだった。

「技術的な部分ではなく、気持ち、メンタリティについて書いてもらっています。団体戦はやはり気持ちの部分が大きいので、ノートに書いていたことが試合で実践できたのか、何ができなかったのかをしっかり振り返り、ギャップを埋めてきました。全国大会の上位になると、今まで毎日バスの中で歌を歌っていた生徒たちがシーンとなってしまう。『普段どおり』と言っているのになぜ? という感じです。今年に関しては、今日もみんなで歌いながら会場までやってきました」

明るく元気。そんな印象を受ける大商学園の雰囲気をリードするのはエースであり、キャプテンの千葉陽葵だ。

「シングルス1として最初に試合をするので、自分が暗くなったりしたらチームの雰囲気も悪くなってしまう。明るく笑顔で、ポイントを取ったら応援のみんなに大きな声でアピールしています」

そして何より性格的にも本番向きで「試合になるとギアも上がるし、足も動く」。彼女を慕って同行のテニス部に入った下級生もおり、選手層もさらに厚くなってきた。

さらには加藤未唯や、清水悠太ら国内トッププロのフィジカルトレーナーでもある横山正吾トレーナーが帯同しており、試合前後のコンディショニングにおいても万全を期している。

決勝の相手はアベック優勝を狙う相生学院だ。同じ近畿地区ということで、選抜予選では決勝で対戦し、敗退している。

「決勝進出を目標にしていたのですが、もう全員スイッチは切り替わりました。今目指しているのは優勝です。勝てない相手はいないと思います」(笹井監督)

決勝の朝、バスの中で歌を歌い、明るく元気に”普段どおり”のテニスで、決勝の舞台へと足を踏み入れる。

試合を決めたD2の宗和奏・森田帆南組

【3月24日の試合結果】

■女子団体戦 準々決勝
四日市商 3−2 山陽女学園

■女子団体戦 準決勝
相生学院 3-2 沖縄商学
大商学園 3-0 四日市商

3月25日(月)の試合予定
ドローはこちら
9:30〜
女子決勝 
相生学院 vs 大商学園

大会オフィシャルサイト

取材・写真/保坂明美