『大正製薬 リポビタン 第46回全国選抜高校テニス大会』の団体戦が博多の森テニス競技場で開催され、3月24日(日)は男女準決勝が行われた。
法政二vs佐土原の準決勝は、佐土原に2−1と白星を先行された法政二が、脅威の挽回劇を見せ、S2、S3で逆転勝利を収めた。
鍵となったのはS2の曽根大洋だった。小学生時代にパデルのジュニア日本代表としてスペイン遠征の経験がある曽根は、高橋司監督曰く「スライスがうまく、空間認知能力も高い」という特徴を生かしたテニスで佐土原のS2、宮里琉星の攻撃をかわす。徹底したフォアのスライスでロングラリーに持ち込み、相手がネットアプローチを仕掛けるとバックのフラットでパスを抜く。1−4から終始リードを許す展開だったが、6−6に追いつくと2ゲーム連取し、勝利へとひた走った。
選抜のS2は、試合の流れを大きく左右するポジションにある。今年の法政は2回戦から準々決勝までの試合で1−1、もしくは0−2と苦戦を強いられ、2−0でS2に回ってくることはなかった。しかし、全ての試合で勝ち星を上げてきた曽根は自信を持っており、「必ず自分が勝って次に回すから」と、準決勝前のミーティングでも勝利を誓い、それを現実のものとした。
昨年の2回戦で佐土原に敗退した際、高橋監督の頭には「北浦(真斗)先生が監督をしていた時には決勝へ進めていた。やっぱり私のやり方ではダメなのかもしれない」という思いがよぎったという。しかし、1日3時間の練習時間を有効に使い、東山、大分舞鶴、北陸、関西といった強豪校との練習試合を設け、粘るだけではなく、最後に勝ち切るテニスを磨いてきた。
「階段を一段ずつ、山を少しずつ登ってきました。頂上で見る景色はどういうものなのか見てみたい」(高橋監督)
悲願の初優勝を目指し、5連覇のかかる相生学院と対戦する。
【3月24日の試合結果】
■男子団体戦 準決勝
相生学院 3-2 麗澤瑞浪
法政二 3-2 佐土原
【3月25日の試合予定】
男子ドローはこちら
9:30〜
相生学院 vs 法政二
取材・写真/保坂明美