8月10日(日)、『第42回 第一生命 全国小学生テニス選手権大会』の男女決勝が、第一生命相娯園テニスコートにて開催された。

男子は第1シードのオトリエ龍馬が、長い手足から繰り出す広角なショットで第2シードの安居院虹斗の粘りを封じ、6-2 6-1で優勝を飾った。

安居院が「色々なショットを使いたかったけど、(相手の)ボールが深かった」と試合後語ったように、オトリエは「プレースタイルを変えると相手に飲み込まれる」という思いのもと、相手を振ってドライブボレーやネットプレーに繋げる自分のプレーを最後まで貫いた。

「全国選抜ジュニアの優勝から、みなさんのサポートで課題を練習してきました。それがうまく発揮でき、全小も優勝できてうれしいです」と喜びを語るオトリエ。自分のプレーはアルカラスに似ていると言い、映像を見てクレーコートでのイメージを膨らませたという。

次なる目標は全日本ジュニア。普段の練習環境と同じハードコートでの戦いに自信を見せ、3冠を誓った。

左から安居院、オトリエ、佐藤、大畑

男子結果
優勝:オトリエ龍馬[1](犬蔵小学校)
準優勝:安居院虹斗[2](青山小学校)
3位:佐藤琉輝[3](西落合小学校)
4位:大畑慶祐[7](谷戸小学校)

女子も男子と同様、第1、第2シードが勝ち上がった決勝は、第2シードの岩佐綾香が、第1シードの奥山し渚を7-5 6-3で破り優勝を飾った。

「フォアに周り混んで攻めるプレー」が持ち味という岩佐は、「緊張してうまくプレーができなかった」という奥山から一気呵成にポイントを奪い5-2とリードする。

途中、勝利を意識した岩佐と、自分を取り戻した奥山の守勢が変化し、5-5と拮抗する。しかし「相手に(セットを)取られてもいいから自分のプレーをしようと思った」という岩佐が積極性を見せ、7-5で第1セットを奪う。

第2セットも「足を動かす、集中する」という気持ちで戦った岩佐が6-3で獲得し、全国初タイトルを手にした。

「去年はベスト8でしたが、今年は優勝できてうれしいです。試合前から優勝するイメージを持っていて、自分から振っていけたのが良かったと思います」と喜びを語った。

全国選抜ジュニアに続き、準優勝となった奥山は「全日本ジュニアは得意なハードコートに変わるので、自分らしく戦っていきたい」と次の戦いを見据えた。

ヨーロッパ遠征でも決勝を戦ったことがある岩佐と奥山。岩佐は「全日本ジュニアでまた戦えたらうれしい」と語る。良きライバル関係を築きつつ、お互い頂点を目指す。

左から奥山、岩佐、齋藤、宮本

女子結果
優勝:岩佐綾香[2](立教女学院小学校)
準優勝:奥山し渚[1](第七小学校)
3位:齋藤日和[4](飛田給小学校)
4位:宮本珠莉愛[10](金曽木小学校)

取材・写真/保坂明美