ATP500「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス」が、有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コートにて9月25日~10月1日(本戦)に開催されている。29日はシングルスの準々決勝4試合とダブルスの準々決勝1試合が行われた。
この日も満席となった有明コロシアム。ナイトセッションには、前日の試合で完全復活の兆しを見せた錦織圭と21歳で世界ランク14位のH・ルーネの対戦が組まれる。ルーネは昨年キャリアハイ4位をマークしており、前日の西岡良仁戦では絶好調のプレーを披露していた。
第1セットは錦織のプレースメントがうまく決まって優勢に進み、6-3で先取。前日の調子の良さを維持できているようで、本人も「昨日の試合ができすぎていた中で、今日の試合は落ちることを覚悟していたんですけど十分良かった」と納得のレベルのプレーだった。しかし、ルーネがアップダウンのあるプレーヤーだと知っているだけに「これでは終わらない」と気を引き締めた。
錦織が警戒していたように、第2セットでルーネのミスは減り、サービスの調子も上がってきたことで簡単にキープされるようになる。3-3のゲームで錦織は相手を動かすも、追いつかれてブレークされてしまう。「自分が攻めないといけなかったし、長いラリーが増えてきたのが大変でした」という状態で、2-6で落とす。
調子を上げていくルーネに対して、錦織は徐々に体力が削られていく。しかし、先にブレークしたのは耐えてチャンスをうかがっていた錦織。5-3の相手のサービスゲームではマッチポイントまで握った。しかし、これをしのがれると、「足が動いてくれなかったのもあり、まだまだ体力不足と、バネのなさが最後に出た」と、勝利を引き寄せることはできず、6年ぶりのジャパンオープンはベスト8で終わった。
準々決勝で敗れたものの、今週を振り返り、「タフな相手といい試合ができた良い3試合でした。安定感のあるプレーができたし、ベストな週を過ごせて自分のレベルを上げられました」と収穫があった。
会見で、大会前はトップ10に到底かなわないと言っていたが、今はどう感じているかと聞かれて、「正直、心の中ではあんまり思ってなくて口に出しちゃいました。どこかでいけるんじゃないかと思いながら言っちゃたので申し訳ないです」と錦織らしく謝罪し笑いを誘った。「いけるんじゃないか」という心の中を、素直に言えるようになるほどの手ごたえを今大会で得たということだろう。
今後はプロテクトランキングがなくなるため、ワイルドカードをもらえるか、予選からの出場になるかなど、スケジューリングも難しくなる。今大会の結果は、ATPツアーで戦えるランキングに戻るための大きなプラスとなることは間違いない。
明日はダブルス準決勝が4時スタート。シングルス準決勝の2試合は6時以降に行われる。
-9月29日(日)の結果-
■シングルス結果■
〇H・ルーネ(デンマーク)[6] 3-6 6-2 7-5 ●錦織圭(ユニクロ)[WC]
○T・マハツ(チェコ) 7-6(2) 6-3 ●A・ミケルセン(アメリカ)[Q]
〇U・アンべール(フランス)7-5 2-1ret. ●J・ドレーパー(イギリス)
〇A・フィス(フランス) 7-5 6-7(5) 7-6(2) ●B・シェルトン[8]
■ダブルス結果■
準々決勝
〇A・ミケルセン/A・タビロ(アメリカ/チリ)7-5 3-6 [10-7] ●H・ニス/J・ジェリニスキ(モナコ/ポーランド)[2]
準決勝
〇A・べハール/R・ギャロウェー(ウルグアイ/アメリカ)wo ●J・ドレーパー/T・マハツ(イギリス/チェコ)
構成:Tennis.jp 写真:伊藤功巳