9日、男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズであるマドリッド・マスターズはシングルス準々決勝が行われ、第10シードの錦織圭(24歳)がフェリシアーノ・ロペス(32歳、スペイン)を6-4、6-4のストレートで下し、今大会では初となるベスト4進出を果たすとともに、来週発表される最新の世界ランキングでトップ10入りを果たすことが確定となった。

これまでの自己最高ランキングが11位であった錦織は、先々週に行われたバルセロナ・オープンで今シーズン2勝目を挙げるとともに、ランキングを12位にアップ。今大会に入っても好調を維持していた。

日本人の男子選手が、現行の世界ランキングのトップ10入りを果たすのは史上初。またアジア圏の選手がトップ10入りするのは、2004年3月にパラドーン・スリチャパンが達成して以来の快挙となった。

最後の準々決勝となったこの試合、それまでの3試合では全て地元スペイン勢が勝利しており、マスターズ大会初となるスペイン勢のベスト4独占が期待されていたが、錦織は3度あったブレークピンチを全て切り抜けると、第1セットを先取した後の第2セットで、終盤となる第9ゲームでこの日2度目のブレークに成功。そのまま逃げ切り、新たな歴史を作った。

「ロペスのプレーはスライスを多用してきて、ストロークではアドバンテージがあったので、積極的なプレーを心がけました。重要なポイントで良く集中してましたし、良い終わり方でした」

錦織がマスターズ大会でベスト4に進出するのは、3月のマイアミ大会に続き今シーズン2度目。その時は、3回戦のダビド・フェレール、準々決勝のロジャー・フェデラーと2試合連続でトップ10選手を破っていたものの、準決勝を前に足の付け根を負傷し不戦敗で姿を消していた。

「トップ10に入るのは、大きな目標でした。良いテニスを続けて、このランキングをキープしたい」とこれからの抱負を語った錦織。自身初となるマスターズ決勝を目指し、準決勝では、第5シードのフェレールと対戦する。