5月26日(月)、パリ、ローランギャロで行われているフレンチ・オープン2日目、錦織圭の1回戦が行われ第9シードの錦織はスロバキアのクリザンに6-7(4-7),1-6,2-6で敗れた。
連戦の疲れからの股関節痛に加えマドリード・オープン決勝では左ふくらはぎを怪我、「負けてがっかりしている。が怪我を悪化させずに試合ができ安心もしている。」とインタビューの言葉が正直な気持ちだろう。ツアーは体調万全ではなく勝てるほど甘くはない。
オーストラリアン・オープン優勝者、第3シード、スイスのワウリンカがスペインのガルシアロペスに6-4,5-7,6-2,6-0で敗れる波乱があった。日本勢では奈良くるみが勝利、土居美咲は残念ながら敗れた。クルム伊達公子の試合は明日に入る。
錦織圭インタビュー
「今朝も痛みがあったので、サーブも騙し騙し打たないといけないと思った。
試合に入ったら意外に動けた。試合までポイント練習もしていなかった。
なじむのに1、2セットはかかると思った。
痛みよりも内容がついていかなかった。練習不足だった。彼もプレーは良かった。」
「この状態では勝てない。最初は動くのに不安があった。
サーブのジャンプにしろ、最後まで100%できていない。
マドリード、バルセロナではかなり前後に動いていたが、今日は足のせいもあり、動けなかった。ボールの感覚がないままに終わってしまった。
サービスと蹴り出す一歩目のリアクションが遅れてミスが出る。
なかなか早い展開にすることができなかった。」
「第1セットを取っていたらもう少し自信が出て変わっていたかもしれないが、5セットなのでわからない。
気持ち的には耐えていたが、テニスの内容が悪かったので、挽回の兆しがなかった。」
「下がったり、前に行ったりしたが、自分のプレーに安定性がなかった。
単調に繋いでも浅くなる。やろうとすることができなかった。
5-3のダブルフォルト2つは2週間サービスを打っていなかったから、そのせいだと思う。」
「また、痛みが出てきたので、時間がかかるかもしれない。わからない。
時間がたたないと回復のめどが立たない。
何日間は良くなってきたが、気持ちで痛いと思う部分なのか?痛みが続いているのかは自分でもわからない。」
「このフレンチ・オープンでは100%で臨めなかったが、テニスは良くなっている。
クレーでポイントも取れたので、結果も出ている。」
体調万全ではなかったが、それなりに錦織圭は自分の今できる事を出して戦った。
今クレーで一番乗っているクリザンに対して錦織の成長を見せるプレーを見せていた。
その試合の様子をお伝えする。
<フレンチ・オープン1回戦>
●9)錦織圭 6-7(4-7),1-6,2-6 〇M.KLIZAN(SVK)
対戦相手は同じ年24歳。2006年のフレンチ・オープンジュニア優勝者、ジュニア・ランキングで1位になったことのあるスロバキアのクリザン。
5月、ミュンヘンで行われたBMWオープンに優勝。しかも予選から勝ち上がっての優勝。タフな相手だった。
11時試合開始予定だったが、雨のため、12時20分過ぎに二人はコート1に登場。
雨がポツポツする中、スタート。
錦織のダブルフォルトで始まる。
サウスポーのクリザンはバックダウンザラインウィナーを上から叩く。
軸が安定してすごいボールを繰り出すクリザン。
いきなりブレークされた。
0-2、錦織の第3ゲーム、
錦織はランニングフォアアングルパスウィナー。スーパーショットでキープ。(錦織1-2)
クリザンの第4ゲーム、
錦織のバッククロスへライジングショットを2ついいのをお見舞いする。
2-2ブレークバックだ!(2-2)
クリザンの第6ゲーム、
錦織のバック&フォアダウンザラインへ連続ウィナー。
腕がキーンと伸びていく。
15-40を含め、3つのブレークポイントがあったが、
サービスのコースをうまくつかれた。(3-3)
錦織の第7ゲーム、30-40、
錦織はバックダウンザラインへスライスパスで抜く。
マジックショットだあ~!すっごい!キープ、4-3。
クリザンの第8ゲーム、
錦織のバッククロスが深くて冴えている。
5-3とブレークアップ。
体調万全ではなくても錦織のテニスは素晴らしい。すごく上達している。チャンのお蔭だろう。
錦織の第9ゲーム、また、ダブルフォルトスタート。まずい。
このゲーム、デュースコートにもう1つダブルフォルト。
ブレークバックされて、5-4。
錦織の第11ゲーム、錦織のバックダウンザラインへドロップショットウィナー。
6-5キープ。この柔らかいショットは健在だ。
サウスポークリザンの194キロサービスエースで6-6とする。
タイブレーク
2-2で錦織のセカンドを狙われて、クリザンのフォアダウンザラインリターンエースで2-3。
クリザンの回り込みフォアダウンザラインウィナーで4-6とピンチ!
この強烈なフォアが入り出すとやっかいだ。
また、クリザンのジャンピングバックを打ってくる。調子に乗っているなあ。
セットポイントは錦織のフォアがガシャミスで4-7と第1セットを落とす。
クリザンのものすごい出足だった。
それをジワジワと追い上げて逆転した錦織だったが、
クリザンの第6ゲームの15-40と、
5-3で錦織の第8ゲームの2つのダブルフォルトが効いてしまった。
第2セット
錦織の第2ゲーム、6つ目のダブルフォルト。
クリザンのフットワークがますます良くなり、フォアのスイングも速くなってきた。
ブレークされた。(錦織0-2)
錦織の第4ゲーム、
クリザンのアウトかと思うのが入ってくる。それだけよく振れていて、乗っている証拠。
7つ目のダブルフォルト。(0-4)
クリザンのサーブ&フォアハーフドロップボレーウィナー。やりたい放題だ。(0-5)
クリザンのサービスワイドを決められ第2セットも1-6で落とす。
まだまだ体調が万全ではないのだろう。
動きが冴えない錦織。幾分か?顔色も悪いかな?
第3セット
錦織の第1ゲーム、錦織がいいラリーをしてもクリザンはびくともしない。
逆にバックアングルウィナー。
また、ダブルフォルト。デュースコートばかり8個中7個。
ラブゲームでブレークされた。元気がない。
クリザンはますますストロークが良くなっていく。
伸びるし、入らないと思ったら、ベースラインに落ちるし。
フォアだけでなくバックも強烈になってきた。(0-2)
錦織の第3ゲーム、錦織のフォアダウンザラインウィナー。
久しぶりに声が出た錦織!!キープ1-2。
クリザンの第4ゲーム。
クリザンのフォアムーンボールみたいなのが、オンライン。
難しい引くボールもうまく引っかけて、回り込みフォアダウンザラインウィナー。
手がつけられない。(錦織1-3)
錦織の第5ゲーム、錦織も集中し直して頑張りだしたのに。
ここが勝負と見たクリザン。ディフェンスでも素晴らしい。
粘ってバックダウンザラインへパスウィナー。コードボールのアンラッキー。
このラリーは大きかった。
錦織がこれからと言う時にクリザンはことごとくいいショットを連発する。
錦織、1-4とまたサーブをブレークされた。これは痛い。
最後は錦織のフォアクロスがネット。錦織2-6でクリザンに敗れてしまう。
錦織が体調万全の時二人の試合を見てみたい。
この状態で良くやったと思う。
錦織 圭 ブログ
錦織 圭 データー 1989年12月29日生まれ 24歳
大会データー:2014フレンチ・オープン
賞金総額:35億円、シングルス優勝賞金2億4千万円
男子:€11,560,000 Grand Slam Roland Garros
女子:€11,420,000 Grand Slam Roland Garros
会場:ローランギャロ、パリ
本戦:5/25 - 6/08,2014
大会スケデュール
オーダー・オブ・プレー
ライブスコア
パリ現地時刻(時差は-7時間)
<男子1回戦>
〇M.KLIZAN(SVK) 76(4) 61 62 ●9)錦織圭
男子ドロー
男子予選ドロー
<女子1回戦>
〇奈良くるみ 61 64 ●A.TATISHVILI(USA)
28)A.PETKOVIC(GER) 63 63 ●土居美咲
クルム伊達公子 vs 24)A.PAVLYUCHENKOVA(RUS)
女子ドロー
女子予選ドロー
(記事 テニスジャパン 森下 泰 塚越 亘 photo/Mutua Madrid Open)