全米オープンが米国、ニューヨークで開催。6日、男子シングルス準決勝が行われ、錦織圭(24歳)が第1シードでウインブルドン優勝者、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦し6-4、1-6、7-6(4)、6-3と接戦の末に勝利した。
ファーストサービスが入った時には80%もの確率でポイントを獲得するなど驚異的なプレーを繰り出した世界ランク1位のジョコビッチを相手に、37本のウィナーで勝負強いプレーを見せた。トータルポイントではジョコビッチが3ポイント上回るほどに拮抗した試合だった。
ワンセットオールで迎えた第3セットで5-3からジョコビッチの粘りに苦しみタイブレークにもつれ込んだ終盤、リターンウィナー2本、バックの逆を突くダウンザラインで4-0とリード、最後はフォアで決め7-4でタイブレークを制し、第4セットも奪い、5度のブレイクを果たしての勝利となった。
錦織圭、「世界のナンバーワンに勝てて嬉しい」決勝進出の快挙、全米オープン
「優勝目指して頑張ります。速いタイミングで取る事が有効だとコーチにも言われていたのでそれを意識してきた。」と錦織。
今大会の勝ち上がりを振り返ると、1回戦では最高ランク77位、左利きの選手ウェイン・オデスニク(28歳、米国)と対戦し6-2、6-4、6-2で2回戦進出を果たした。12本のフォアハンドウィナーと7本のバックハンドウィナー、6本のサービスエースに、11本をボレーで決めるなど6度のブレイクを果たしマッチポイントもサービスエースで締めくくる好調さで初戦突破した。
2回戦ではツアー5度の決勝進出、前回の対戦で錦織が完敗しているパブロ・アンドゥハル(28歳、スペイン)と対戦。大切な場面をボレーでポイントを重ねると強打の相手にドロップショットを織り交ぜたプレーで6-4、6-1とリードするとアンドゥハルが故障のため試合途中に棄権し3回戦に進出した。
3回戦では今年の夏、フェレールに勝利しツアー優勝など活躍した第23シードのレオナルド・メイヤー(27歳、アルゼンチン)を相手に6-4、6-2、6-3で勝利。風の強い中でセカンドサーブのバリエーションが良く、第1セット後半、フォアハンドのリターンエース、フォアのパッシングショットを続けて決めてブレイクすると第2セットも最初のゲームでブレイクするなど迫力のあるリターンウィナーを続けた。
8月初めのワシントン(シティ・オープン)の準々決勝から実戦から離れていた錦織が試合での体力、集中力を不安視される中、第3セットでは0-3から6ゲームを連取し快勝した。1試合1試合、自信が積み重なってブランクを感じない」と錦織。
4回戦のラオニッチ戦では、ウインブルドンで6―4、1―6、6―7、3―6と惜敗した時と同じく1セットオールの第3セットタイブレークで落とす苦しい展開ながら4-6、7-6(4)、6-7(6)、7-5、6-4のフルセットで勝利した。ラオニッチがウィナーは86本のラオニッチに対し錦織はフォアハンド14本、バックハンド11本を放つなど厳しい戦いを強いられながらも、アンフォーストエラーはラオニッチの72本に対して41本と安定したテニスを続け勝利した。
大会史上最も遅い時刻までかかる試合。「サービスゲームに集中して、リターンゲームではチップ(リターンからネット)したりプレッシャーをかける事が出来た。勝てない相手はもういないと思うので出来るだけ上を向いてやりたい」と錦織。
錦織「最後まで気が抜けない試合だった」フルセットで勝利しベスト8、全米オープン
準々決勝では、第3シードで全豪オープン優勝者のスタン・ワウリンカ(スイス)と対戦し3-6、7-5、7-6(7)、6-7(5)、6-4と大接戦に勝利しベスト4進出を果たした。
ワンセットオールに追いつくと、第3セット12度ものネットポイントで主導権を握り、13本のウィナーを放つなどジャックナイフなどダイナミックなプレーで5-2とリード、挽回を許しタイブレークでは6-7とするも錦織のバックハンドストレートでのエースを決めると続く2ポイントを連取し9-7でセットカウント2-1とリード。
第5セットはブレイクピンチを何度もしのいだ錦織が第10ゲームでブレイクを果たし96年ぶりの準決勝進出を果たした。
錦織圭、「油断せずに決勝まで行きたい」全豪オープン優勝者に勝利しベスト4の快挙、全米オープン
決勝で対戦する世界ランク16位のマリン・チリッチ(クロアチア)とは5勝2敗と錦織が対戦成績ではリードしている。
記事:長嶋秀和