2月4日(土) 岩手県盛岡市の盛岡タカヤアリーナで行われているデ杯 ワールドグループ1回戦、日本対イタリア戦。
イタリアNo.1プレーヤーのファビオ・フォニーニが3日連続出場、日本NO.1の杉田祐一(三菱電機)を4時間を越える死闘の末破りイタリアをデ杯ワールドグループ準々決勝に進めた。
3勝1敗で日本に勝ったイタリアは4月の準々決勝で昨年のチャンピオン国フランスと対戦する。
8強入りを逃した日本はワールドグループ残留が懸かる9月の入れ替え戦に回る。
入れ替え戦はワールドグループ1回戦敗退国と地域予選(4月6,7日)勝者国で戦われる。(日本の対戦国はその時決まる)
杉田祐一4時間の死闘 マッチポイントもあったが
●杉田祐一 6-3 1-6 6-3 6-7(6) 5-7 〇ファビオ・フォニーニ
杉田のショットがアウトになると、フォニーニはラケットを放り投げ大の字に倒れた。
この姿が、いかにこの死闘の厳しさと重要性、対日本戦の勝利が嬉しいかを物語っていた。
4時間8分のフルセットの大熱戦。
フォニーニは初戦でもダニエルと3時間56分、2日目は急きょダブルスにも出場、3時間37分を戦っている。
3つの勝利をあげ、母国を準々決勝に進めた殊勲の選手は、
「デビスカップは普段の大会とは違う。
疲れはあるがイタリアのため、国のためにみんなと戦えるのは、素晴らしい気分なんだ」と、穏やかな表情で語った。
「日本はとても素晴らしいチームだった。
特に杉田は、この1年ほどで大きな成長を遂げている。
今後は錦織も戻ってくるだろうし、ますます強いチームになると思う」イタリアのバラズッティ監督も、対戦国への称賛を惜しまなかった。
フォニーニと監督の両方から「素晴らしいプレーヤーに成長した」との評価を受けた杉田は、錦織不在のチームで、エースの重責を十分に務めたと言える。
初戦のセッピ戦ではフルセットの大熱戦を勝ちきり、
1勝2敗で迎えたフォニーニとの対決でも、第4セットのタイブレークでマッチポイントを握るまでにイタリアのエースを追い詰めた。
第5セットでも、先にブレークし4-1までリードを広げたが、惜しむらくは、サーブが最後まで安定感に欠いたこと。
「サーブが修正できなかったのが敗因としてある。
悔しいですね……最近は試合のなかで修正もできていたのですが、今回は最後まで上手くいかなくて」。
それでも、まだ5セットマッチの経験が少ない杉田にとり、国を背負った緊張感のなか、3日間で5セットのマラソンマッチを二試合戦えたのは今後につながる大きな財産。
「フォニーニ戦ではどんどん良いプレーができたし、終盤にもプレーが落ちることがなかった。
体力、フィジカル的に問題はなかったので、そこは自分の中で大きなステップアップ」と、悔しさと同時に充実感もにじませた。
今回のデビスカップから大きなものを持ち帰れたのは、全てのメンバーに共通した思いだろう。
初戦でフォニーニとフルセットの接戦を演じたダニエルも、そして2015年全豪オープン優勝ペアであるフォニーニ/セッピ組と戦った内山/マクラクラン組も、経験豊富なトッププレーヤーとの戦いから多くを得たと言った。
特に内山やマクラクランは、デ杯でグランドスラム優勝者と戦った経験を活かし、昨年10月のジャパンオープン優勝を果たした実績がある。
内山は「今回はベースライン中心の相手との対戦で難しさもあったが、そういう相手との自分たちの戦い方も見えた」と言い、その経験をツアーでも生かしていくことを胸に期した。
岩渕キャプテンは今回のイタリア戦を振り返り、選手たちが「グランドスラムや世界の舞台で強豪相手に日々切磋琢磨し成長しているのを実感した」と言った。
今回の財産を手にそれぞれがまたツアーで自らを磨き、さらに一回り大きくなった姿を、9月の入れ替え戦で見せてくれるはずだ。
2/2,2/3,2/4, 2018
2/2(金) シングルス
●ダニエル太郎 46 63 64 36 26 〇ファビオ・フォニーニ
〇杉田祐一 46 62 64 46 76(1) ●アンドレアス・セッピ
2/3(土) ダブルス
●マクラクラン・勉/内山靖崇 57 76(4) 67 57 〇シモーネ・ボレリ/ファビオ・フォニーニ
2/4(日) シングルス
●杉田祐一 63 16 63 67(6) 57 〇ファビオ・フォニーニ
ダニエル太郎 (打ち切り) アンドレアス・セッピ
デ杯・ホームページ
ITFデ杯ホームページ
1987年05月24日生まれ、30歳、22位、最高ランキング13位
FABIO FOGNINI デ杯データー
2008年からデ杯プレーヤー、デ杯成績27勝11敗
記事:塚越亘 塚越景子 写真 佐藤ひろし/TennisJapan