6月4日(月)、全仏オープン(賞金総額50憶円、ダブルス優勝賞金7,200万円)
女子ダブルス3回戦で穂積絵莉、二宮真琴組(ともに橋本総業)が第5シードのG・ダブロウスキー(カナダ)シュー・イーファン(中国)組を6-1、6-2で破り、準々決勝に進出した。
日本女子同士のペアでの全仏8強入りは2002年4強になった杉山愛、藤原里華以来のこと。
ともに1994年生まれの24歳、5月のITF$80,000岐阜に続く今季2度目のダブルス出場。二人のコンビでのグランドスラム大会出場は今回が初。
2回戦では第11シード、3回戦は第5シードを破った穂積/二宮組。ラウンドを重ねる毎に良いペアに成長、「自分達のいいプレーをすれば勝てない相手はいないと思う」と自信もつけている。
準々決勝では、第1シードのバボス(ハンガリー)/ムラデノビッチ(フランス)組に挑戦だ。
試合は一日空いて、現地6月6日の予定。オーダー・オブ・プレー
二宮真琴/穂積絵莉
ロブをうまく使った
<<女子ダブルス3回戦>>
〇穂積絵莉/二宮真琴 6-1,6-2 ●5]DABROWSKI/XU
ダブロウスキーのサーブで始まる。
40-15から3回のデュースの末にブレークでスタート。
穂積の突き球やロブが効いている。それを二宮のスマッシュエース。
最初から非常によく動いて集中していた。
二宮がポーチをバックボレーでカバー。穂積がすかさずバックアングルパスウィナー。
素晴らしいコンビネーションで2ブレークで3-0。
第7ゲーム、ダブロウスキーのサーブ、15-40のセットポイント。
ダブロウスキーの強烈なグランドスマッシュにスライスがかかる。
穂積はそれを読んで右足をしっかり踏ん張って、フォアでダウン・ザ・ラインへパスを決めた。
第1セットを6−1で取る。
第2セット
穂積の第1ゲーム、3回のデュースの末に1-0とキープ。
XUの第4ゲーム、二宮がクロスにトップスピンロブを決めた。逃げのロブではなく、自分から積極的に打つので伸びて跳ねていく。
穂積もフォア真ん中へリターン・エース。こちらも思い切りが良く、なおかつコントロールも抜群であった。
4回のデュースの末、ブレーク、3-1とリード。
最後はXUのダブルフォルトで6-2。
1時間6分の完勝。素晴らしいプレー、素晴らしいコンビネーションだった。
二宮真琴/穂積絵莉インタビュー
自信がでてきた
穂積絵莉
「こんなスコアで勝てるとは思っていなかった。今日は起きた時から緊張していた。
2人で最初から最後までプレーが良かった。終わってみたらいい内容だった。
ロブを使って、2人の陣形を崩そうと思った。ロブはクレーだとバウンドが変わるので、相手もやりづらい。使っていこうと思う。」
「このペアではないが、1人ずつはお互いにやったことがあったので、情報交換した。自分達のいいプレーをすれば勝てない相手はいないと思う。」
「ベスト4になれば藤原里華さん、杉山愛さんに続いて16年ぶりは知っていた。」
「日本人同士だといろいろ作戦を練ってやれるので楽しい。外国人は適当でそれぞれのフィーリングでやろうとか言われる。こうやって、こうやって、こう攻めようとかということにはならない。
日本人の方が考えている感じがする。また、日本語の方が細かくコミュニケーションが取れる。」
「全豪ベスト4に入った時からグランドスラムでも勝てるという自信が出た。それまではWTAに勝ってもそんなに思っていなかった。
全豪でミルザに勝って、サファロバにいい試合ができて自信になった。グランドスラムでも上に行けると思った。」
「杉山愛さんからは、2人がいいプレーをしていたら、チャンスがあるからと言ってくれた。今日のようなプレーをお互いがしたら、チャンスがある。
流れがいったりきたりすると思うが、いい流れを少しでも長くこちら側に持っていきたい。早くからトップスピードでいけるように準備したい。」
二宮真琴
「こんなスコアで勝てるとは思っていなかった。ビックリ。自分達のプレーをすればチャンスはあると思っていた。」
「ダブロウスキーはバックよりもフォアの方が苦手という情報があった。フォア狙いで行き、早く崩れてくれたのがラッキー。」
「お互いに上手く攻められた。
最初からロブを使おうと思った。ネットにかなり詰めてきたので、浅くても抜けると思った。」
「クレーが苦手だったが、ベスト8に入って少し自信になっている。
ウィンブルドンで4強になった時は外国人ペアだったが、今回は穂積さんと一緒に組んで勝っているのはすごく嬉しい。」
「ウインブルドンベスト4に入ってもたまたまだろうと思った。芝だし、勢いもあったし・・・。
フェド杯で(2月と4月に日本を背負ってプレー)、プレッシャーがかかる場面で自分のいいプレーが出せた。それが自信になった。グランドスラムの大きな舞台でも挑戦できると思った。」
「ロブの練習は最近するようになった。その日の感覚がある。相手によってタイミングとかがある。以前はそんなに練習していなかった。
クリニックでロブはどうやって打つのですか?と言われるけど自分でもわかりませんと答える。」
「いつもは緊張するのにこの大会は1回戦からあまり緊張していない。自然と試合に入れた。」
全仏ダブルス
優勝賞金:€560,000(7200万円)
準優勝:€280,000(3600万円)
ベスト4:€139,000(1800万円)
ベスト8:€76,000(1千万円)
3回戦:€41,000(540万円)
2回戦:€22,000(300万円)
1回戦:€11,000(150万円)
女子ダブルスドロー
ミックスダブルスドロー
記事:塚越亘/塚越景子/Y.Morishita/T.Terashima photo/H.sato/Tennis Japan