大会6日目の男女シングルスは、3回戦の後半。2回戦を2セットダウンから大逆転で勝ち上がった錦織圭(22歳)は、これまた2回戦でジル・シモン(27歳、フランス)を相手に壮絶なフルセットを戦って勝ち抜いてきたフランスのベテラン、ジュリアン・ベネトー(30歳、フランス)と対戦する。錦織とベネトーの対戦は2度目。と言っても、前回の対戦は2007年のワシントンでの話で、その時はベネトーが勝ってはいるが、参考程度というところだろう。


ベネトーはフランス勢に時々現れる遅咲きタイプの選手で、プレーそのものに特徴は少ないのだが、試合の流れを読むのがうまく、攻守の出し入れが巧み。どちらかと言えば、最近の錦織が苦手にしているタイプに入る。しかし、手札の数で言えば今の錦織の方が上のはず。相手のペースに乗せられず、自分のリズムで戦えれば4回戦進出が見えてくるはずだ。
錦織の3回戦は第3コートの3試合目で行われる。(第1試合の開始は日本時間午前9時)
男子で他に面白そうなカードと言えば、ロッド・レーバーアリーナとハイセンス・アリーナのナイトセッションに組まれたレイトン・ヒューイット(30歳、オーストラリア)対ミロス・ラオニック(21歳、カナダ)、そしてアンディ・マリー(24歳、英国)対ミカエル・ロドラ(31歳、フランス)の2カードだろう。ベテランのカウンターパンチャーであるヒューイットと、新進気鋭のビッグサーバーであるラオニック、パッシングショットの精度ではツアー随一のマリーと、ベテランのサーブ&ボレーヤーのロドラの対戦は、お互いの長所同士での争いが見られるマッチアップ。テニスを見る楽しさを再発見させてくれる対決だ。
女子ではセリーナ・ウィリアムズ(30歳、米国)やペトラ・クビトバ(21歳、チェコ)などのカードも組まれているが、注目なのはロッド・レーバーアリーナ2試合目のマリア・シャラポワ(24歳、ロシア)対アンジェリーク・クルベール(24歳、ドイツ)。今大会では好調ぶりを見せつけているシャラポワだが、3回戦の相手のクルベールは、シャラポワを相手にきちんと粘れるタイプ。ロングラリーの展開になった時に、シャラポワがゲームを組み立て、主導権を手放さずに試合を終えられるかどうかが試される。ある意味、今大会のシャラポワの今後を占う一戦となるだろう。