TEAM YONEZAWA ヨーロッパキャンプ2011 報告1

TEAM YONEZAWA ヨーロッパキャンプ2011 報告1
今回は6月31日から7月6日までの5週間のヨーロッパでのキャンプだった。まずはパリの全仏観戦で始まった。パリでは毎日地下鉄を乗り継いでローランギャロスに通った。泊まりはパリ中のホテルが一杯で少し離れたパリ市内でも会場とは反対側だったので乗り換えがあり1時間程度の地下鉄の旅だったが地元の雰囲気を味わうと言う点では良い経験で出来た。

全仏ではチケットの入手に困難を極めたが1日以外は何とか会場入りを果たし4日間長時間にわたりトップの選手達の観戦がかなった。会場内試合途中で帰る観戦客からセンターコートのチケットを譲り受けてセンターコートの試合も観戦出来たり運よく入場できた選手達もいて良い試合も沢山観戦出来たのはラッキーだった。

パリ滞在中午前中ローランギャロス近くのTennis Club de Boulogne Billancourtにて練習そしてブローニュの森でトレーニングも行った。フランスの連休中クラブのコートを確保するにあたってクラブの支配人のPhilippe Joliotさんにも大変お世話になった。

フランスでの食事は朝フランスパンでコンチネンタル、夜はフランスの名物中華料理(ベトナム系中華)が好評だった。

パリ滞在は早朝から夜遅くまでスケジュールが詰まった毎日だった。

1週間をパリで過ごした後はザグレブ(クロアチア)に移動、ザグレブではクロアチアナショナルテニスセンター(NTC)が歓迎して下さり自分のクラブのよう自由に使わせて頂いた。アレンジして下さったのはセンターのヘッドコーチでディレクターでもあるアンドレトニッチコーチだ。彼は僕が錦織圭を指導している際にチリッチを連れて歩いていたコーチだ。その際親しくなったコーチの一人だ。

ザグレブではアンドレが見つけてくれた家を拠点にして近隣の国のヨーロッパ連盟の大会やクロアチア国内の公式戦に参加した。NTCでは毎日センターを拠点にしているクロアチアの選手達と練習試合を行った。プロのレベルから12歳以下まで揃っているので試合練習の環境としては最高の場所となった。

NTCには屋外に9面のレッドクレーと9面のインドアそしてランニングトラックやトレーニングルームも室内に完備されている。雨でも関係なく練習やトレーニングが行えた。

ザグレブでのキャンプ中1週目はNTCでレッドクレーに慣れる為に練習と練習試合に充てたが残りの3週間は各年齢とも4~5大会に出場した。各大会ではそれぞれ多くの試合を経験する事が出来た。

ヨーロッパ連盟の大会ではハンガリーの16歳以下で井上晴がベスト4、セルビアの14歳以下の大会で加藤大貴がベスト4、久保田誠彬がベスト8そしてハンガリーの12歳以下の大会では田島尚輝ベスト4が主な戦績だ。

3年連続で参加したセルビアのチャチャックでは大歓迎を受けた。コートのすぐ側に宿泊して自分の家のようにクラブを使わせて頂いた。隣接する芝生のサッカー場もトレーニングに使えるので最高の環境だ。

クロアチアでは国内の大会も数多く経験した。14歳以下では久保田誠彬がカルロベッツで優勝、工藤颯人がベスト4、ソマボールの16歳以下の大会では大野一真がベスト8、野中光がベスト4、ザグレブの18歳以下の大会では久保田誠彬がベスト4そしてクロアチアでの最終戦のザグレブ郊外の町での16歳以下では加藤大貴がベスト8と言う戦績だった。

特にカルトベッツの大会ではクロアチアと日本の国旗が入ったペナントを作ってくれての大歓迎を受けた。3日間の大会期間中日本の選手達はクラブで滞在中差し入れを貰ったり良くして頂いて本当にお世話になった。

選手達はそれぞれ毎日のように試合をこなした。大会では勝って負けても自分が目指すテニスを実戦の場でトライし続けた。結果が出なかった選手にとっても負けた試合から学習出来る事が多いので良い経験だ。

トレーニングはフットワークとランニングでの追い込みを継続して行った。夏以降の体力向上を意識して疲れていても走り込みは週に2度は行った。追い込み以外の日も毎日ジョギング程度のランニングは行い体調を整えた。

食事はキャンプを通じて出来るだけ沢山食べるように心がけた。内容はいつものようにたんぱく質を沢山とり同時に野菜とでんぷんも出来るだけ沢山とりカロリーも多く摂取するように指導した。体重を増やして帰国する事も大きな課題の一つとしていた。

睡眠は午前8時や9時の試合のある日は起きるのが5時台になり少し少ない日もあったが全体的には十分な睡眠が取れるようにスケジュールをたてた。

クロアチアでの生活は非常に快適だった。それほど綺麗な家とは言えないが凄く快適に暮らす事が出来た。クロアチアの人たちの我々に対して本当に親切だ。隣の家の人などは差し入れしてくれたりトイレを貸してくれたり鍵を預かってくれたり毎日本当にお世話になった。

パン屋に行けば大人数なので沢山のパンを買うと大量のパンを無料で差し入れをしてくれたことが何度もあった。外人に対して凄く歓迎心の強い国民だ。

コーチをしている僕にとっても本当に充実した1ヶ月だった。選手達と寝食を共にしてのキャンプが最高の強化だといつも感じる。彼らの行動や成長を肌で感じる事が大切だ。

クロアチア滞在中に大使館からご招待を頂き皆で訪問して田村義雄大使のお話を聞かせて頂いた事も選手達にとっては貴重な体験だった。

Team Yonezawaのキャンプでは携帯や電子機器の使用は禁止している。選手達がテニスに没頭出来る環境を作るためだ。コート上で対戦相手から以外の雑念を取り除き自由に試合が出来るようにするのが目的だ。最初は不便だと感じる選手達もいるがすぐに慣れて他の選手達との会話が増える。暫くすると家族のような集団が出来て来るのが心強いところだ。オンオフコートで仲間を思いやる気持ちが生まれて来るのが選手達の素晴らしいところだ。

最後になりましたが今回の遠征を開催するに際しまして多くの方々にお世話になりました。まずは選手達に貴重な機会を与えて下さった御両親、そして理解ある地元クラブのコーチの方々この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

クロアチアでのアレンジをして下さったアンドレコーチ、そして歓迎して下さったNTCのディレクターのヤダンカさんとコート担当のハイラさん、ワールドジュニアヨーロッパ予選にハンガリーの監督として不在だった数日を除けば常時選手のサポートをして下さったレビーコーチ、そして選手のハンガリーからの送迎や車の手配などのマネージメントを担当して下さったゾルタンさん本当にお世話になりました。

そして長嶋コーチ24時間の不眠不休での選手のサポート本当にお疲れ様でした。

沢山の方々のサポートのお陰で無事に今回のヨーロッパキャンプも終える事が出来ました。皆様方に心より御礼申し上げます。有難うございました。

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コメント

  1. 木下明美 さん : 2011.07.08

    米さん、このキャンプは大変充実していたような様子が伺えます。本物の追求と、精力的にジュニア育成に力を注ぐ米さんの情熱が手に取るようにわかります。これからも、体重を増やしながらの大型選手の育成、にがんばってください。

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  2. 米沢徹 さん : 2011.07.09

    明美ちゃんコメントありがとうございます。
    参加した子供たちは志の高い才能豊かな選手達ばかりです。本当に楽しみです。
    旦那様をはじめニューヨークのレストラン日本の皆さまにくれぐれもよろしくお伝えください。いつか選手を連れて行ける日を楽しみにしています。

    返信

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