ATP500「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス」が、有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コートにて9月25日~10月1日(本戦)に開催されている。28日はシングルス2回戦とダブルスの1、2回戦、車いすシングルスの準決勝、ダブルスの1回戦が行われた。

満員に埋め尽くされたコロシアムにスタンディングオベーションで迎え入れられた錦織圭は、立ち上がりから好調で、ストロークでワイドへ振り、オープンコートへ決めるという組み立てが面白いように決まっていく。

第3、第5ゲームでトンプソンのサービスを立て続けに破ると、わずか32分、6−2で第1セットを奪った。

先に攻める作戦で6年ぶりのベスト8へ進出した錦織圭 写真:伊藤功巳

「自分から攻めないといけないと思っていました。チリッチみたいにどんどん打ってくる選手ではなく、トンプソンはしっかりラリーしちゃうと相手が良くなっていくと思っていたので」という錦織の勢いは、第2セットでもその勢いは止まらない。

第3ゲームでは長いラリーを制してブレークを果たし、次のゲームこそブレークバックされるも、ラリー戦では硬軟織り交ぜたストロークでミスを誘う。相手がネットに出てくると、正面に打ち込み真っ向勝負を挑んだ。常に先手を打ち、5−3で迎えた2度目のマッチポイントは、トンプソンのダブルフォールトだった。

「今日は若干僕のイメージを超えていて”これ入るんだ”みたいなものが結構ありました。変な言い方にはなりますけど、これが自分なんだな、潜在能力はまだあるんだなって」

トップフォームの再現といっても過言ではない出来栄えに喜ぶ錦織。6年ぶりにベスト8へ進出し、明日はルーネと準々決勝を戦う。

「これが1試合だけでは意味ないので、続くといい」と気を引き締めた。

 トップフォームを思わせる1戦に自信を見せた 写真:伊藤功巳

「リフレッシュが必要」西岡良仁はルーネに敗退

第6シードのルーネと戦った西岡良仁は、2-6 4-6で敗退した。ルーネは第1セットのファーストサーブの確率が88%、ファーストサーブからのポイント獲得率が100%という数字を叩き出した相手に「今日は自分が悪いというよりも相手が良かった」と完敗を認めた。

オジェアリアシム戦では痙攣に見舞われ、この日も足を気にする様子を見せており「疲れていないと言えば嘘になります。上海までは頑張るけど、身体も心もリフレッシュが必要」と、語った。

西岡良仁はルーネの出来の良さに潔く負けを認めた 写真:伊藤功巳

コロシアムの声援を受けて決勝へ進出した小田凱人

アリーナで試合の準備をしようとしたとき、コロシアムへの変更を提案されたという小田凱人は、「たくさんの方々がいるのを見て、めちゃくちゃテンションが上がりました」と笑顔を見せる。

眞田卓との準決勝は、「最初の方でちょっとうまくいかない時間もあった」が、パリ五輪金メダルの強さを見せつけ、6-2 6-1で勝利した。決勝の相手はアルゼンチンのフェルナンデス。「ガチでやらないと、どっちが勝つかわからない相手。リターンエースとかラリーで打ち勝つイメージはあるので、今日よりいい試合はできると思っています」と2連覇への意欲を見せた。

急遽コロシアムの試合に変更となり強さをアピールした小田凱人 写真:伊藤功巳

明日29日は、コロシアムの第1試合に小田凱人 vs G・フェルナンデスの車いす決勝、第4試合(NB18:00)に錦織圭が登場する。

-9月28日(土)の結果-
■シングルス結果■
2回戦
○T・マハツ(チェコ) 2-6 6-3 7-6(4) ●T・ポール(アメリカ)[5]
〇A・ミケルセン(アメリカ)[Q] 6-1 6-4 ●C・オコネル(オーストラリア)[Q]
〇錦織圭(ユニクロ)[WC] 6-2 6-3 ●J・トンプソン(オーストラリア)
〇H・ルーネ(デンマーク)[6] 6-2 6-4 ●西岡良仁(ミキハウス)[WC]
■ダブルス結果■
1回戦
〇S・ドゥンビア/F・ルブル(フランス)[3] 6-3 3-6 [10-3] ●S・ジル/J・フリーゲン(ベルギー)
〇H・ニス/J・ジェリニスキ(モナコ/ポーランド)[2] 6-4 6-7(6) [13-11]●R・ヒジカタ/A・ポピリン(オーストラリア)

準々決勝
〇A・べハール/R・ギャロウェー(ウルグアイ/アメリカ)6-7(6) 6-4 [10-7] ●N・ラモンズ/J・ウィズロー [1]
〇J・ドレイパー/T・マハツ(イギリス/チェコ)7-5 2-6 [10-8] ●S・ドゥンビア/F・ルブル(フランス)[3]
〇J・キャッシュ/L・グラスプール(イギリス)ret. ●B・シェルトン/J・トンプソン(アメリカ/オーストラリア)

■車いすシングルス結果■
準決勝
〇小田凱人(東海理化)[1] 6-2 6-1 ●眞田卓(TOPPAN)[3]
〇G・フェルナンデス(アルゼンチン)[2] 6-1 6-1 ●河野直史(ロイヤリティ マーケティング)[7]
■車いすダブルス結果■
準決勝
〇藤本佳伸/M・ユースフ(GA Technologies/マレーシア)[2] 6-3 7-6(5) ●河合雄大/髙野頌吾(トップアスリートグループ/かんぽ生命)[4]
〇荒井大輔/齋田悟司(BNPパリバ/シグマクシス)[1] 6-3 6-3 ●フェン・シャオミン/河野直史(中国/ロイヤリティ マーケティング)

構成:Tennis.jp 写真:伊藤功巳