男子テニスの国別対抗戦、デ杯、日本対中国戦が中国の広州で行われ、日本は1勝2敗の崖っぷちから逆転勝利し、11月マドリードで行われるデ杯決勝ラウンドへ進出した。
初日は1勝1敗。勝負は最終日の2日目にかかった。
第一試合はダブルス。ツアー優勝も経験している内山靖崇(北日本物産)/マクラクラン勉組が第2セットでマッチポイントを2つ握りながら、まさかの逆転負けを喫してしまう。
王手をかけた中国は19歳のウー・イービンを投入した。2017年のUSオープンジュニア単複優勝のプレーヤーを投入、勝負をかけてきた。日本のNo.1、西岡良仁(ミキハウス)は前日不甲斐ない敗戦をしている。
日本ダブルス負けた!
二つのマッチポイントがあったが!
<<第3試合>>
●内山靖崇/マクラクラン勉 7-5 5-7 4-6 ◎MX.GONG/Z.ZHANG
どのセットも接戦が続く。
第1セット、セットポイントは内山が猛ダッシュで拾ったボールがスーパーショットになり取った。
第2セットも競り合い。5-4、中国のサーブならが2度マッチポイントを握ったが、そのチャンスを逃がす。
ファイナル・セットも第2ゲームで2度のブレーク・チャンスがあったのだが。
3-3から内山がサーブを落とす。
次の中国のサーブでは0-40のブレーク・チャンスがあったが、そのチャンスを生かせずに敗れた。
デ杯は怖い。初日の西岡に続き、最終日の最初の試合に格上の日本ダブルスチームが中国の開き直ったような元気なプレーの前に敗れた。
西岡良仁No.1の意地!
<<第4試合>>
◎西岡良仁 6-2 6-0 ●Y.WU
ダブルスを落とし崖っぷちに追い込まれていた日本、もう後がなく、一つも落とせない状況だ。
一方の中国はウー・イービン、2017年のUSオープンジュニア単複優勝の19歳を投入。
ウーは2017年のジュニアNo.1。ウー ジュニア成績。
昨年の上海マスターズでは錦織圭と2回戦で対戦、第1セットを取る活躍をしている。その時の記事:錦織圭中国期待の18歳に苦戦。その19歳の若さに期待し勝負をかけてきた。
「正直、緊張はあった。」と西岡。
西岡は初日のオープニングマッチで不甲斐ないプレーをしてしまっている「勝てなかったのは辛いが、いい勉強になった」と気持ちを入れ替えてコートに立つ。
「ハードヒッターは波に乗せると怖い。」西岡は先に仕掛け、ウーのプレーをさせない。
一方期待を背負ったウーは西岡のプレッシャーにイージーなミスを連発する。
西岡はランキング通りの力の差をみせて、5度ブレーク、わずか52分で快勝。嫌な流れを食い止め、良い形でダニエル太郎にバトンを渡たした。
ダニエル太郎根性で勝利
勝った瞬間に痙攣!
<<最終戦>>
◎ダニエル太郎 6-3 6-7(4) 6-3 ●Z. Li
西岡良仁が勝利して2勝2敗に追いつく、迎えた最終シングルス。ダニエル太郎が登場する。
相手は初日のオープニングゲームで素晴らしいプレーで日本のNo.1西岡を破ったリー。
リーのプレーはしっかりしている。第2ゲームのダニエルのサーブを破り、中国2-0とリード。
第3ゲームも40-15、中国3-0とし、勢いに乗っていくかと、思われたが。
リーも初日のプレーより固い。なんとそこからサーブを落とす。
3-3、リーのサーブは30-0となるが、そこからスマッシュミスなどで30-40。
デュース後、2度目のブレーク・チャンス、11回のラリー戦、リーのショットはロング、日本は4-3とリード。
ダニエルは3ゲーム連取。第1セットを先取した。
第2セット
第2セットはダニエル5-4のリードから5-6と挽回される。
第12ゲームではリーのサービング・フォ・ザ・セットになるが、ブレーク・バック、タイブレークに。
しかし、タイブレークを4-7で落とし1-1に追いつかれた。
ファイナル・セット
1-1、リーのサーブで30-40、リー、スマッシュをネットで中国、ダウン。日本2-1。
2-4、中国のサーブ、30-40となる。
2度のブレーク・ポイントを握られるピンチがあったが、リーはバックのダウン・ザ・ライン、ドライブ・ボレーなどでキープし3-4と粘る。
リーは先にサーブを落としてしまったが、自分のできる100パーセントのことを淡々とやっている。
それを励ます中国の監督も凄い。
4-3、ダニエルのサーブ、30-30。23回のラリー戦、13回のラリー戦。ラリー戦が凄い。
ダニエルも粘っこくプレー、キープ、5-3とする。
リーのサーブ、リーはバックをネット、15-40と日本にマッチポイントがきた。
2度のマッチポイントを逃れ、中国はデュースに持ち込む。凄い。
ダニエルの深いリターン、リーはそれをネットし、3回目のマッチポイント。
5回目のショット、リーのフォアがロング、日本が勝った。
握手をしようとネットに行こうとするが、ダニエルの脚に痙攣が!!!!
2時間30分を超える死闘の凄さを物語っていた。
会場:広州オリンピックテニスセンター
サーフェイス:ハードコート
【第1日 2月1日(金)】
●西岡良仁 36 26 ◎Z.LI
◎ダニエル太郎 76(3) 64 ●Z.ZHANG
【第2日 2月2日(土)】
●マクラクラン勉/内山靖崇 75 57 46 ◎GONG/ZHANG
◎西岡良仁 62 60 ●Y.WU
◎ダニエル太郎 63 67(4) 63 ●Z.LI
2019デ杯ドロー
デ杯は、今年から新フォーマットに変更された。
5セットマッチから、3セットマッチに変わり、初日にシングルス2試合、2日目にダブルス1試合とシングルス2試合(先に3勝したチームの勝利)。
期間:11月18~24日
会場:La Caja Magica Madrid
2018年のワールドグループ4強(クロアチア、フランス、スペイン、米国)と2月に行われたファイナル予選の勝者12チーム、日本、豪州、ベルギー、カナダ、チリ、コロンビア、ドイツ、イタリア、カザフスタン、オランダ、ロシア、セルビア+ワイルドカード(アルゼンチン、英国)2チームの計18チームが出場する。2019デ杯ドロー
デ杯・JTAホームページ
ITFデ杯ホームページ
2018年ドロー
記事:塚越亘 塚越景子 写真 Dave Zhong/デ杯/ITF