2020年全豪オープンの男女シングルスの4強が決まった。
それにしてもフェデラーの逆転劇は凄かった。
フェデラーの体調面での不調による元気のないプレーを見ていたら誰もがフェデラーがこのまま今年の全豪オープンからは姿を消すだろうと思ったはずだ。
第1セットを取ったものの、第2、第3セットを落としてしまう。
第4セットはどうにかサービスをキープ、4-5、フェデラーのサービスで40-15となる。
このままキープが続くように思われたが、なんとデュースに持ち込まれてしまい、最初のマッチポイントを握られたのだ。
なんとフェデラーが握られたマッチポイントの数は7つ。
絶体絶命の大ピンチだった。
フェデラー、3回戦のJ・ミルマン(豪)戦も大ピンチだった。ファイナル・セットのマッチタイブレークは4-8からの挽回勝利だった。
フェデラーを苦境に追い込んだプレーヤーはT・サングレン(米、28歳)、100位ギリギリで本戦に入ってきたプレーヤー。
2回戦で第8シードのベレティーニ(伊)、3回戦は同じアメリカの先輩プレーヤークエリーを、4回戦では第12シードのフォニーニ(伊)を激戦の末に破っている。
破壊力あるサーブ、そしてストロークを得意とするパワープレーヤー。
余談だが、そのサングレンを西岡良仁(ミキハウス)は昨年の全豪オープン1回戦で6-4、7-6(5)、4-6、6-4で破っている。
対戦成績:西岡良仁1-0サングレン 西岡良仁も凄い!
フェデラー 7つのマッチポイント 試合詳細
◎フェデラー 6-3 2-6 2-6 7-6(8) 6-3 ●サングレン
初めての対戦。
フェデラーの人気はどこでも絶大だ!拍手が凄い。
10歳若い、サングレンが偉大なプレーヤーに挑戦する。
15時14分、フェデラーのサーブでゲームが始まる。
2回のデュースの末、Tへ連続サービス・エースで1-0とキープ。
サングレンとすれば長いラリー合戦に持ち込むしか手はない。
フェデラーはバックのスライスを短く切って、ネットに誘う。
サングレンは「その手には乗りません」とバックスライスを打って、後ろに下がる。
15-40とピンチだったが、サングレンはストロークに徹底して、ミスを誘う。1-1とキープ。
サングレンの第6ゲーム、フェデラーはブレークし4-2とする。
5-3、最後はサービスをアングルに放ち、サングレンのフォアリターンがネット。6-3でフェデラーが取る。
試合時間は35分。
しかし、スッキリではない。フェデラーのストローク凡ミスが気になる。
特にフォアのミスが多い。このフォアではジョコビッチにはなあ・・・!?
第2セット
フェデラーのグランドスマッシュがアウト、0-2とサーブを落とす。
サングレンはTへサービス・エース、3-0とする。
サングレンはいいところでいいコースに入ってくる。それに対してフェデラーのラリーはパッとしない。
フェデラー、2-5、30-40とセットポイントを握られる。
サングレンは徹底してフェデラーのバックを狙う。最後はバックがネット。
6-2でサングレンが取る。
第3セット
サングレンは3本連続のサービス・エースでキープ。
フェデラー、30-40、フェデラーはフォアの連続ミスでサーブをダウン。(フェデラーから0-2)
サングレンの第3ゲーム、0-30から長いラリーでフェデラーが取り、0-40とブレーク・バックのチャンス。
30-40でフェデラーがコードバイオレーションを取られる。
ここで主審に聞きに行くフェデラー!?初めてだ!この光景は・・・!?
ここでもサングレンのファースト・サーブがドン。5ポイント連続でサングレンが0-40からサーブをキープし3-0とする。
大ピンチ!
審判も敵になったか!?
まだ、怒らないフェデラー。抑えているのか?このまま、行くのか?
フェデラーがいなくなったぞ!トイレか?下を向いて出ていった。
メディカル・タイムアウトということは・・・!?何だろうか?
やはり、体が何かおかしかったのだろうか?
やばいなあ~!まさか・・・!?
だいぶ経ってやっと登場のフェデラー。大きな拍手で迎えられる。
フェデラー2-5、40-15からデュースに持ち込まれる。
デュースの数は7回、6回目のセットポイン、最後はフェデラーのバックがネット。かなり下に当たってしまった。
だめだこりゃ~!
6-2でサングレン。
サングレンのグランドスラム大会初の4強入りは決まりだな。
フェデラーのこの調子ではここからは挽回はできっこない!!!!
第4セット
サングレンはサービスが変わらず良い。ストロークでは常に主導権を握る。
バックはジャックナイフを見せるなど余裕がある。
フェデラーは覇気がない。
たまに打つとすぐにミス。
ここからはフェデラーの大挽回などあり得ないだろう?
4-4、サングレンのサーブ、
サングレンの股下ショットがいい当たりで惜しかった。ここでも余裕があるサングレン。キープする。
フェデラー4-5、40-15からデュースに持ち込まれ、最初のマッチポイントを握られる。
サングレンのバックはかすりあたりでネット。
2つ目のマッチポイント、サングレンのフォアのダウン・ザ・ラインがサイドアウト。
3つ目のマッチポイント、サングレンのフォアクロスがネット。
フェデラーは回り込みフォアのダウン・ザ・ラインでウィナーを決め、5-5とキープした。
この大ピンチを逃れた。すごい盛り上がりだあ~!本人シラーッとしているよ!
フェデラーのバックスライス戦法で・・・!?
そこから急に回り込んでフォアのダウン・ザ・ラインを決め、30-40とブレーク・ポイントを握る。
サングレンはフォアをクロスに打ち込みデュースにし、キープした。
でも少しずつサングレンのミスも出てきた。
フェデラーが打たせているのと緊張か?
勝つプレッシャーか?
タイブレークになる。
3-3のチェンジオーバーでサングレンにボールボーイがぶつかってしまう。
松岡修造が得意としていたワイドへのサービス・エースでサングレンが6-3と4度目のマッチポイントを握る。
もうだめだろう!タイブレーク6-3だよ!
5-6、6度目のマッチポイント、フェデラーはバックのダウン・ザ・ラインへのパスからフォアのダウン・ザ・ラインへドライブ・ボレーを決めた。
キャーキャー!凄い歓声と拍手、6-6だ!
サングレン、Tへサービス・エース級、7-6で7度目のマッチポイント、
20回近くの息詰まるラリー戦が続くがサングレンのバックのアプローチショットはネットで7-7。
フェデラーはTへナイスサーブからフォアのスマッシュ気味なボレーを決め、8-7とセットポイント。
しかしサングレンはサービス・エースを決め8-8。
14回のラリー戦、サングレンはフォアミスしてフェデラーの9-8。
サングレンのボレーがオンラインでウォーと言う歓声、最後はサングレンのスマッシュがロング。
10-8でフェデラーが取った!!!!!!!!!
すごい~!
まさか、フェデラーが取るとは!!
合計7つのマッチポイントを逃れただけでもすごい!
ファイナル・セット
主審のマイクのノイズや電話、歓声などに負けないサングレン。
2つのブレーク・ポイントを逃れ、1-1とキープ。
フェデラーのサービスの確率とコースが良くなって、フォアも無理せず、バックはよりフラット気味にシンプルにとらえてきた。
ガシャが減ったのはさすが修正能力あるなあ~!
サングレン、2-3のサーブ、
フェデラーの回り込みフォアのダウン・ザ・ラインが少しループ気味に決まった。
4-2とブレークアップ。待望のブレーク。
大盛り上がりの会場!
フェデラーファンで埋めつくされている。
5-3、フェデラーのサーブ、40-30、最後はサービス・エース級をセンターへ、サングレンのフォアのリターンはネット!!!!!
凄い大挽回劇、フェデラーが7本のマッチポイントを逃れて勝利!
3時間31分!凄い!参りました!
さすがフェデラー!
「勝利には幸運が必要だった。
ハピィー、ミラクル、凄いラッキーだった。」とフェデラー。
男女シングルス4強決まる
<<男子準決勝>>
5]D.Thiem(AUT) vs 7]A.Zverev(GER)
2]N.Djokovic vs 3]R.Federer
男子本戦ドロー
<<女子準決勝>>
1]A.Barty(AUS) vs 14]S.Kenin(USA)
4]S.Halep(ROU) vs G.Muguruza(ESP)
女子本戦ドロー
本戦:1/20(月) - 2/02(日)
予選:1/14(火) - 1/18(金)
<<女子準々決勝>>
◎1]A.Barty(AUS) 76(6) 62 ●7]P.Kvitova(CZE)
◎14]S.Kenin(USA) 64 64 ●O.Jabeur(TUN)
◎4]S.Halep(ROU) 61 61 ●28]A.Kontaveit(EST)
◎G.Muguruza(ESP) 75 63 ●30]A.Pavyluchenkova(RUS)
女子本戦ドロー
女子予選ドロー
ナダル4時間10分の激戦の末ティエムに敗れた!
<<男子準々決勝>>
◎5]D.Thiem(AUT) 76(3) 76(4) 46 76(6) ●1]R. Nadal(ESP)
◎7]A.Zverev(GER) 16 63 64 62 ●15]S.Wawrinka
◎3]R.Federer 63 26 26 76(8) 63 ●T.Sandgren(USA)
◎2]N.Djokovic 64 63 76(1) ●32]M.Raonic(CAN)
男子本戦ドロー
男子予選ドロー
記事:塚越亘/塚越景子/Y.Morishita/S.Kobayashi/E.Shingae 写真H.Sato, W.Tsukagoshi CanonEos7D