添田豪(テニス)
ウィンブルドン予選の女子1回戦と男子2回戦がロンドン郊外のローハンプトンで行われ、女子は参戦した3選手全員が初戦を突破。男子勢では、添田豪が3回戦(予選決勝戦)への進出を決めた。

最後はフォアのウィナーを鮮やかに叩きこみ、勝利に花を添えた。相手は元世界ランキング77位で、過去にウィンブルドン二度の2回戦進出経験もあるベテランのダナイ・ウドムチョク。添田とは、何度も顔を合わせ手の内を知った仲ではあるが、現在の力関係から言えば添田が遥かに上だ。だからだろうか、6-3、6-2の快勝にも、添田の表情にさしたる喜びや満足感は見られなかった。

今季の添田は、開幕後から勝ち星に恵まれない厳しい時期を過ごしてきた。ランキングが上がったことで主戦場のレベルが上がり、欧米への遠征も増えた。疲労からか体調を崩し、満足にトレーニングも出来ない日々。だが苦手なクレーを終えて芝に入ると、先週はチャレンジャーで3回戦へ。この勝利が自信につながり、「今回は初戦から落ち着いて出来た」と言う。この日の試合でも、第1セットで先に相手にブレークされるが、次のゲームで即ブレークバック。その後は安定したサーブとリターンでポイントを重ね、常に主導権を掌握し続けた。

添田にとりグランドスラムの予選出場は、今回が6大会ぶり。以前は「勝ちたいという思いが強すぎて、力みや気持ちの先走りが出てしまった」と言う予選での戦いだが、今回は「本戦をひと通り経験したことで、ゆとりがある」と添田。明日は本戦出場をかけ、元55位のボリス・パシャンスキと対戦する。

その他の男子勢は、伊藤竜馬がマキシム・オートムに、3-6、2-6で敗退。第7シードのジャン-レナード・ストラフと対戦した守屋宏紀は、第3セットで先にブレークし、4-3のサービスゲーム、40-15までリードするが、そこから追い上げられ、3-6、6-3、6-8で敗れ悔し涙にくれた。

女子は、瀬間友里加奈良くるみはいずれもストレートで快勝。瀬間詠里花は、アナスタシア・ロディオノワと追いつ追われつの大熱戦を繰り広げた末、6-4、4-6、7-5で勝利をもぎとった。

※写真は、ウィンブルドン男子シングルス予選で決勝進出を決めた添田豪