『2022杉山記一杯supported byリポビタン 東京大会』が3月30日(水)、大正セントラルテニスクラブ目白(東京都)にて開催された。
小学生の「チャレンジクラス(主に低学年・12名)」と「マスターズクラス(主に高学年・24名」の2カテゴリーに分かれて行われた今大会は、試合経験の少ない子どもたちが、20分という時間制でゲームを楽しみ、経験を積むことを目的としている。
「プロと触れ合う機会を作ることも目的の一つ」と、トーナメントディレクターの杉山記一氏が語るように、この大会には増田健太郎、伊藤竜馬、斉藤貴史、松尾友貴、山崎千鶴、杉山氏も含め6名のプロが参加し、コートを巡回して試合のチェックや、アドバイスを行う。セルフジャッジの大会だが、サポートスタッフもいるので、時間管理やスコアをフォローしてもらえるのが特徴だ。
6名ずつの総当たり戦ののち、チャレンジクラスは上位2名、マスターズクラスは1位の4名が決勝トーナメントに進出した。
チャレンジクラスは圧倒的な強さで勝ち上がった楠本悠太郎と、女子で唯一の決勝進出となった橋本花奏の対戦に。「予選で負けていた相手だったので、勝ちたかった」という橋本は、長いラリーからカウンターなど、身長130cmながらも躍動的なプレーを見せる。
しかし「将来はプロになりたい」という楠本悠太郎が、パワーと堅実なプレーで試合を4−1で制す。「1ゲームを取られて冷や汗をかいたけど、初めて優勝できたのでうれしいです!」と喜びを表した。
マスターズクラスは、阿部湧と嶋田峻生の左利き同士の対戦に。「なるべくコースを突くけれど、ミスをしないように心がけた」という阿部が4−2で優勝。「この大人数の中で、しかもリーグ戦という、いつもとは違う緊張感の中で勝ち上がり優勝できてうれしいです」と喜びを語る。
小柄ながらもスピードのあるボールを打っていた嶋田は、敗戦に悔しそうな表情を見せるが、「簡単なミスがまだあるので、しっかり練習して今度は優勝したい」と次の大会へ向けての意欲を見せた。
全試合終了後には、プロによるクリニックが行われ、パワフルなデモンストレーションに感嘆の声を上げる。「斉藤選手のスピンがものすごく跳ねてびっくりした」「YouTubeで見ていた松尾プロに会えて、教えてもらうことができてうれしかった」とプロに接する喜びを感じていたようだ。
伊藤プロは「自分は小学生の頃プロ選手と打てる機会がなく、こういう機会があるみんながうらやましいと思うし、皆さんの今後に期待しています。今後も全力でテニスに打ち込んで日々成長することを願っています」。
増田プロも「競い合うことで練習の成果を感じたり、まだまだ足りない部分をこれからの練習でできるようになるために頑張ってください。今回試合を観てくれたり、クリニックをしてくれたプロの選手たちは、たくさん練習してプロになれました。決して人よりずば抜けた才能があったわけではなく、人より練習してプロになったので、皆さん努力して上達してください」と子どもたちにメッセージを送った。
杉山氏は「参加した皆さんが楽しんでくださったようで、良い大会になりました。子どもたちには、テニスに勝つことだけではなく、この大会を通じて色々なことを学んでいってほしいと思っています。そして、子どもたちの成長を親御さんと、指導者で支えていける場所として今後も継続していきたいです。最終的にはこの経験をした子どもたちが、自分が大人になったときに未来の子どもたちに伝えてくれることを理想としています」と今大会の総括と今後の展望を語った。
今年は中学生部も加えつつ、関東で全4大会が予定されている。
第8回杉山記一杯supported byリポビタン 東京大会
■主催:International Sports Management株式会社
■協賛:大正製薬株式会社 麻布ベストハウス 株式会社GAORA 三基商事株式会社 株式会社丸善、FIRST FRUITS JAPAN株式会社
■日程:2022年3月30日(水)
■会場:大正セントラルテニスクラブ目白
■試合方法:
<予選> 6人総当たり戦。時間制(1試合20分)ノーアドバンテージ方式
<決勝> 予選リーグ上位2名(チャレンジクラス)、上位1名(マスターズクラス)によるトーナメント。時間制(1試合20分)ノーアドバンテージ方式
取材/保坂明美 写真/市野穣