1月18日(土)オーストラリアン・オープン6日目、錦織圭の3回戦が行われ錦織はアメリカ期待のD・ヤング(91位)を7-5, 6-1, 6-0で勝ち見事3年連続のベスト16を決めた。
勝った錦織、準々決勝進出を賭け4回戦で第1シード、世界1位のR・ナダル(スペイン)と対戦する。ナダルとは今まで5連敗、勝つのは簡単ではないが、精神的にも肉体的にも充実感のある今年の錦織圭はは期待できそうだ。
ヤングと錦織は共に24歳、同世代のプレーヤー。ヤングは2005年にはオーストラリアン・オープン・ジュニアに優勝、その年にはジュニア世界一になっているエリートプレーヤーだ。二人はジュニア時代は対戦がなく、プロツアーでは1勝1敗。ジュニア時代はエリートだったヤングとしたらプロになってからは錦織の活躍の方が大きい。見えないライバル意識の火花が飛ぶバトルとなった。そして序盤はヤングの独壇場、錦織は手も足も出ない状態だったのだが。その激戦の詳細をお届けしよう。
<3回戦>
〇16)錦織圭 7-5 6-1 6-0 ●D.ヤング(USA)
ヤングのサーブで始まる。
ヤングのジャンピングフォアハイボレーウィナー。
バネがあり、やる気に満ちた1ポイントだ。
ヤングのフォアボレーウィナー。
錦織が前試合後のインタビューでヤングはネットにいつもより出ていたと分析していた通りの展開。
ネットに出てくる勢いがすごい。
ゲーム・ポイントでサービスをボディーに打ってきた。
錦織は迷ってミス。ヤングがキープする。
錦織の第2ゲーム、
その勢いに押されてか?錦織の早いミスが目立つ。
早々とブレークされた。(錦織0-2)
ヤングの第3ゲーム、
攻められた錦織だったが、フォアクロストップスピンロブウィナーで15-40とブレーク・バックのチャンス。
ヤングはフォアでムーンボール打ってから、急にバックのダウン・ザ・ラインへライジングアプローチを叩き込んでくる。考えているプレー。
4ポイント連取されて、ヤングはキープする。(錦織0-3)
錦織の第4ゲーム、
ヤングはムーンボールとライジングヒットの組み合わせが見事にはまっている。
錦織に気持ち良くフォアを打たせない工夫をしている。
2回のデュースの末、ようやく錦織がキープできた。(錦織1-3)
ヤングの第5ゲーム、
サウスポーのヤングはフォア逆クロスまで良くなってくる。
落としたり、高くライジングで打って来たりする。
それが見事に深く来る。
錦織のバックに集めてアプローチ、フォアクロスボレーウィナーでキープ。(錦織1-4)
錦織の第6ゲーム、
錦織がこの試合初めてのフォア逆クロスウィナー。
そして、バッククロスウィナー。
2つのウィナーがやっとここでできた!
これまでいかにヤングがうまくプレーしていたかがわかる。(錦織2-4)
ヤングの第7ゲーム、
ヤングはフォアでダウン・ザ・ラインへムーンボールの速いのを送り、それからバックのクロスでウィナーを決める。
パターンが上手くいっているとやりづらい。
ヤングのバッククロスボレーでグッと詰められてからの錦織のフォアクロストップスピンロブウィナー。
スーパーショットだ~ぁ!今大会一番かも~!
それでもヤングはゲーム・ポイントでまた、ボディーにサービスをぶつけてくる。
今日は錦織用にいろいろなパターンを考えてきている。
ヤングはしっかりとキープ、錦織2-5と大ピンチ!
期待されていた割には低迷していたヤングも2011年のUSオープン以来のグランドスラム大会32強で充実している。
「最初、固さがあった。緊張はなかったが、相手のプレーにビックリした。
前回対戦した時より攻撃的にやってきた。
ヤングも強くなったと思う。」
「最初、高く弾むムーンボールに苦しんだ。
下がって打って、浅くなって攻められた。
展開が早くてそれについていけなかった。
どうしていいか?わからなかった。」
と言う錦織。ヤングの勢い、ムーンボールに圧倒されている。
錦織の第8ゲーム、
192キロサービスセンターエース。先に仕掛けてもいいだろう。(錦織3-5)
ヤングの第9ゲーム、
錦織のフォアのクロスパスからバックのダウン・ザ・ラインへのパスウィナー。
スーパーランニングパスだ~ぁ!凄い!
バック逆クロスウィナー。じっくりストロークの後から打つ。(ブレークし4-5)
大絶好調のヤングに対して、ブレークする能力が恐ろしい。
ここまでのプレーをされたら、このセットは諦め、第2セットに賭けようと思ってしまいがちだが。
錦織の意地と自信といろんなものが混ざっているのだろう。
錦織圭の素晴らしさ、強さだろう
「リードされていても(リードしていても)、先のことは考えない。
大事なことは1ポイントずつ。
無駄なミスを減らすようにした。」
と錦織は言うが試合を実際にやっているとなかなか実際にはできない事だ。偉い!
錦織の第10ゲーム、
錦織のストロークが深くなった。フォアクロスウィナー。
自分から取りにいけるようになってきた。(5-5)
ヤングの第11ゲーム、
錦織のバックのダウン・ザ・ラインのパッシング・ショットがやっと一発で抜けた。
バックのクロスロブからバック・クロスパスを決める。
なんとラブゲームブレークで6-5と逆転
錦織の第12ゲーム、このゲームも苦しんだ。
30-40とブレーク・ポイントを掴まれるが189キロサービスワイド。
2つ目のブレーク・ポイント、錦織はバック・ロスパスで弾き飛ばす。
そしてついにきた!錦織、バックアングルウィナーでセットポイント!
最後はフォア逆クロスウィナー。
なんと2-5から5ゲーム連取、7-5でこのセットを逆転で取る。
54分。
これだけ大絶好調のヤングを抑える錦織の潜在能力に改めてビックリ!
ヤングはおそらく今までの中で一番のプレーをしていたと思う。
それなのにブレークされて、セットまで取られてしまう。
後はどうやってやるのか?勝つすべは全くなくなる。
錦織圭は相手のいい時を逃げずにそれを迎えて、さらに自分の力を発揮して進化させていくタイプ。
それが強さの秘密
ヤングの第1ゲーム、
錦織のフォア逆クロスウィナーで早々とブレーク。
錦織の第4ゲーム、
30-40とブレーク・ポイントをにぎられるが、ヤングのフォアのドライブボレーがミスで真ん中に。
錦織は落ち着いてバックでダウン・ザ・ラインにパスウィナー。助かった~!(錦織3-1)
錦織の5-1でヤングの第7ゲーム、
ヤングのバッククロスアウト、ラブでブレーク、6-1で取る。
もう錦織の完全なペースだ。
ここでヤングはトレーナーを呼ぶ。左肩をやっている。
第3セット
錦織はフォアのスライスアプローチウィナー。ドロップ・ショットと見せかけて強く打った。
1-0とキープ。
錦織の連続フォアダウンザラインウィナー、バッククロスウィナー。
速いラリー戦なら得意です。錦織は。(3-0)
135キロの修造アングル・サービス・エースで5-0。
最後はバックのダウン・ザ・ラインへリターン・エース。
ナント6-0でこのセットを奪う。
1時間47分の勝利。4回戦進出。
しかし、本当に良くあの状態から挽回したな~ぁ。さすがです!
外人の「ニシコリ!ニシコリ!」の応援も多い。次のナダルもジャンジャンやっちゃってください!
「3年連続4回戦以上だが、過去2回と違うのは何となく体がもっているなあと思う。
特に第1試合の後、思ったよりダメージを受けていなかった。
今回も膝は少し痛いが、腰などいつもより体が持っている。」
「シードがついて自信もついてきて、ここら辺までは当たり前に勝ってこないといけないと心に備わっている。
12月のトレーニングと経験の積み重ね、体が強くなっている。
特に痛みが出ていない。腰の痛みもない。
ショットも強くなっている。全体的に力強くなっている。」
「ナダルは自分のバックを攻めてくると思うので、ジョコビッチがやるように下がらず前で、ベースライン上、ライジングでボールをとらえられればいいと思う。」
大会データー:2014オーストラリアン・オープン
会場:メルボルンパーク
メルボルン現地時刻(時差は+2時間)
本戦:1/14 - 1/27, 2013
予選:1/09 - 1/12, 2013
<4回戦>
16)錦織圭 vs 1)R.Nadal(ESP)
22)G.Dimitrov(BUL) vs Bautista Agut(ESP)
4)A.Murray(GBR) vs S.Robert(FRA)
6)R.Federer(SUI) vs 10)J-W.Tsonga(FRA)
7)T.Berdych(CZE) vs 19)K.Anderson(RSA)
3)D.Ferrer(ESP) vs F.Mayer(GER)
8)S.Wawrinka(SUI) vs 17)T.Robredo(ESP)
2)N.Djokovic(SRB) vs 15)F.Fognini(ITA)
<3回戦>
〇1)R.Nadal(ESP) 61 62 63 ●25)G.Monfils(FRA)
〇16)錦織圭 75 61 60 ●D.Young(USA)
〇22)G.Dimitrov(BUL) 63 36 64 76(10) ●11)M.Raonic(CAN)
〇Bautista Agut(ESP) 62 61 64 ●27)B.Paire(FRA)
〇4)A.Murray(GBR) 76(2) 64 62 ●26)F.Lopez(ESP)
〇S.Robert(FRA) 60 76(2) 64 ●M.Klizan(SVK)
〇10)J-W.Tsonga(FRA) 76(5) 64 62 ●18)G.Simon(FRA)
〇6)R.Federer(SUI) 62 62 63 ●T.Gabashvili(RUS)
〇7)T.Berdych(CZE) 64 62 62 ●Q)D.Dzumhur(BIH)
〇19)K.Anderson(RSA) 36 46 63 76(5) 75 ●Roger-Vasselin(FRA)
〇F.Mayer(GER) 75 62 62 ●20)J.Janowicz(POL)
〇3)D.Ferrer(ESP) 62 76(5) 62 ●29)J.Chardy(FRA)
〇8)S.Wawrinka(SUI) w.o. ●28)V.Pospisil(CAN)
〇17)T.Robredo(ESP) 26 75 64 76(6) ●9)R.Gasquet(FRA)
〇15)F.Fognini(ITA) 75 64 64 ●S.Querrey(USA)
〇2)N.Djokovic(SRB) 63 63 75 ●D.Istomin(UZB)
<2回戦>
〇16)錦織圭 61 61 76(3) ●D.Lajovic(SRB)
<1回戦>
〇16)錦織圭 63 57 62 46 62 ●M.Matosevic(AUS)
男子ドロー
男子予選ドロー
錦織 圭 ブログ
錦織 圭 データー 1989年12月29日生まれ24歳
(レポート 森下 泰&塚越 亘 CanonEos7D テニスジャパン)