1月18日、2023年最初のグランドスラム大会、「全豪オープン」第3日目
第31シードの西岡良仁(ミキハウス)は予選上がりのダリボル・スブルチナ(チェコ)を 6-3、6-4、6-2 で破り、シードキープの32強、グランドスラム大会では2020年の全豪オープン以来となる3回戦進出を決めた。
ダニエル太郎(エイブル)と予選上がりの綿貫陽介(フリー)はシード選手相手に互角の勝負を挑むが、ダニエルは第20シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)に 3-6、6-7、5-7。綿貫は、第29シードのセバスチャン・コルダ(米国)に、2-6、5-7、4-6 で敗れた。

長い一日だった。
今日からシングルス2回戦が始まる日程で日本の3選手の試合は組まれているが雨で始まりそうにない。
かれこれ50年は全豪オープンを取材しているが、こんなシトシトと雨が降り続く日は初めての経験だ。(ウィンブルドンならわかるが)
昨日は35度あったが、暑さにはそれほどは驚かない。山火事のニュースがいつもより少ないな~あ‼程度。
屋根が閉まる開閉式のロッド・レーバー・アリーナ、マーガレット・コート・アリーナ、ジョン・ケイン・アリーナの3コートは時間通り試合が始まったが、15時になっても日本選手の入っているコートは始まりそうもない。日本の大会だったら順延の判断がとっくに下されているぐらいの湿っぽい天気だ。待つこと6時間、やっと17時を過ぎて外のコートの第1試合が始まった。
西岡の試合が始まったのは20時。ダニエルの試合は21時、綿貫の試合はコート12に変更となり21時半に始まり、3試合同時進行。南極からの風も強く冷たく、寒さも半端ない中で行われ、綿貫の試合が終わったのは真夜中だった。そんな中で行われた3試合は共に見応えのある好試合だった。

西岡良仁 シード守る快勝 32強
3回戦はナダル破ったマクドナルド
16強のチャンス 大

【男子2回戦】
◎西岡良仁 6-3 6-4 6-2 ●D・スブルチナ(チェコ)
西岡2回戦 ハイライト動画
テニスの質、経験、勝負勘、どれをとっても西岡の方が予選上がりの20歳、D・スブルチナ(216位)を上回っていた。
唯一心配だったのは3回戦の対戦相手になるであろう前年チャンピオンの、第一シードのナダルが65位のマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)に4-6、4-6、5-7のストレート負けで姿を消した試合を西岡は待機中に観ていただろう。
マクドナルドとの「対戦成績は4勝1敗」(チャレンジャーでの初対戦も含む)と相性が良い。そのマクドナルドが3回戦の対戦相手と決まり、グランドスラム大会で初の16強になる可能を知ってプレーすることだ。(松岡修造が先のことを考えて不覚をとったことが良くあったので。ゴメンなさい、修造くん)
それが変な重圧になってしまうのではと言う心配は西岡には無用だった。

綿貫陽介 コルダを苦しめたが
成長著しいトップ100感じさせるプレー

【男子2回戦】
●綿貫陽介 2-6 5-7 4-6 ◎29]セバスチャン・コルダ(米)
綿貫陽介2回戦 ハイライト動画
前哨戦のアデレード1、準決勝で西岡良仁を破った第29シードのセバスチャン・コルダ(米)との試合。凄い試合だった。
格上に勝つには攻撃をしかけなくてはいけない。
そんな気持ちがプレーぶりにあらわれる。
いきなり第1セットの第1ゲームをブレークする好スタートを切った綿貫だが、試合中17回のブレーク・ポイントを握る攻撃をしたが、成功したのはたった2回と少なかった。
第3セットの最初のゲーム、コルダのサーブ、デュースはなんと12回。綿貫にブレーク・チャンスは7回あったがコルダがキープする。
なんとこのゲームだけで20分かかる。
このチャンスを生かせなかった綿貫は第2ゲームを落とし、0-2。
0-3となるが、第5ゲームをブレーク・バックするなど踏ん張る。
ダニエル太郎がインタビューで「トップ100のテニスを陽介はしている」と言っていたが正にコルダと同等に戦っていた。
第10ゲームを3度のデュースの末に落としストレート負けを喫してしまうが、最後まで続いた攻撃テニスは将来性を感じさせる魅力たっぷりだった。

ダニエル太郎 シャポバルフと激闘

【男子2回戦
●ダニエル太郎 3-6 6-7(3) 5-7 ◎20]D・シャポバルフ
ダニエル2回戦 ハイライト動画
ダニエル、昨年は予選から勝ち上がり、2回戦で元世界ランク1位のA・マレー(イギリス)を6-4、6-4、6-4のストレートで破りグランドスラム大会自己最高の3回戦に進出している。
2回戦は第20シードのD・シャポバルフ(カナダ)と対戦。
この試合もすごかった!!!!!!
第1セットでは第6ゲームで40-0と3つのブレーク・チャンスがあった。
第2、第3セットでは先にブレークするなどと攻撃力を発揮するものの惜敗。
27日には30歳になるダニエル。
「もう若手じゃない。
これからはコーチから学ぶだけでなく、自分で色々とトライと決断をすべき時期」
と今回の豪州遠征は先輩チームメイトでもある伊藤竜馬にコーチ&ヒッティングパートナーを依頼し挑戦した。(伊藤は18日から始まる日本リーグで橋本総業のプレーヤーとして出場しているので、1回戦後帰国)

大瀧トレーナー、伊藤竜馬コーチ、ダニエル太郎、高田デ杯コーチ、添田デ杯監督 photo/ダニエル太郎インスタグラム
全豪オープン
予選:1/09 - 1/13 2023
本戦:1/16 - 1/29 2023
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Match Schedule(オーダー・オブ・プレー)
ドロー

【本戦】
男子ドロー
男子ドローATP版
女子ドロー

【予選】
男子は綿貫陽介、野口莉央、杉田祐一、内田海智
女子は日比野菜緒、土居美咲、本玉真唯、内藤祐希、計8名が挑戦

男子予選ドロー
男子予選ドローATP版
女子予選ドロー
シード選手としての風格も感じる西岡良仁、32強。ナダル破ったマクドナルドと対戦。16強夢ではない。
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記事:塚越亘/S.Kobayashi/E.Shingae photo W.Tsukagoshi/Canon EOS90D