8月17日〜28日にかけ、有明テニスの森公園および、有明コロシアムにおいて開催されている『ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権2023』。23日にはU12男女シングルスの決勝が行われた。

男子シングルスは第5シードの五島科依と、第9シードの金田歩積の対戦。立ち上がり4ゲーム連取でリードした金田は、途中4-3まで追い上げられるも、「相手のペースになりそうなところを我慢できた」と、サービスキープし、6−4で第1セットを先取する。

第2セットは、拮抗した戦いとなり、タイブレークへ。ダブルフォールトで2-4と五島にリードを許した際には、ファイナル突入の様相を呈したが、「最後は笑顔で自分のプレーを楽しもう」と考えた金田が6-6から2ポイント連取で優勝への道を切り開いた。

全国大会初出場の今大会で優勝まで突き進んだ金田は「関東ジュニアで優勝したことが、とても自信になった」と勝ち方を学んだ様子。「もっとたくさん勝って、将来はプロになりたい」と目を輝かせた。

金田歩積

五島科依

続いて行われたのは、第1シードの原口礼と第3シードの吉田青生の女子決勝戦。最初は「緊張があって思うようなプレーができなかった」という原口を吉田が奇襲する。0−3とリードを許すも「自分の積極的なテニスを最後まで楽しんでやろう」と、気持ちを入れ直すと、持ち前の細かいステップワークを生かしたアグレッシブなテニスで12ゲームを連取し、全国選抜ジュニアに続いて、全国2冠を獲得した。

準決勝で4-6、1-5まで追い詰められた原口は、そこで「自分の攻めるテニスをやり切って終わろう」という思いから、怒涛の逆転劇を見せた。この接戦をものにしたことで確信と自信を得たという。

「将来はプロになってグランドスラムに出場したい。見ている人から応援されるようなかっこいい選手が目標」という原口は、海外ではヤニック・シナー、国内ではU18準優勝の富田悠太を目標にしているという。富田とは「今回一緒に写真撮ってもらっちゃいました」と満面の笑みを見せて、有明を後にした。

原口礼

吉田青生

■8月23日に行われた決勝の結果■
○U12男子シングルス F
金田 歩積 [9] 6-4 7-6(6) 五島 科依 [5]


○U12女子シングルス F
原口 礼 [1] 6-3 6-0 吉田 青生 [3]

現在はU14、U16を開催中

取材・写真/保坂明美