ジュニアの各年代のトップを決める「ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権2024」が8月26日から9月6日まで、有明テニスの森公園テニスコートで行なわれている。8月31日には、14歳以下の男女シングルスとダブルスの決勝が実施された。

 男子は全国大会で初めて決勝へ進出した遠藤栞吾と、ダブルスでは全日本ジュニア優勝経験のある橋本大輔との対戦となった。

 立ち上がりはコロシアムの雰囲気にのまれ、0-2とリードを許した遠藤だったが、ラインを狙いすぎてミスをしていた自分に気づき「コートの内側へコントロールし、粘り強く」戦った。

 6ゲームを連取し、第1セットを奪取した遠藤だが、第2セットも0-2でリードされる。すぐにブレークバックし、イーブンに持ち込むと、ブレーク合戦の様相を呈する。

「セカンドサーブを叩かれることが多かったので、ファーストサーブを入れてラリー戦にすることを心がけた」遠藤は、3-3の第7,8ゲームを連取し5-3とすると、4本目のマッツポイントを制した。

 全国ベスト4が最高成績だった遠藤が、初めて手にした全日本タイトル。「本当にすごく嬉しいし、これから海外のITF大会にも出ていきたい」と、新たな目標を見据えた。

遠藤栞吾

 女子の決勝は、今年の選抜ジュニア14歳以下で優勝して、第1シードで大会に臨んだ鈴木美波に、第7シードの西脇美結が挑む形となった。鈴木は準々決勝までストレートで勝ち上がっているが、本人にとっては「相手に振られてばかりで苦しい展開」だと感じていたと言う。

 決勝でもその状況は続き、第1、2セットはお互いが相手を振って激しく打ち合う場面が多く見られた。そんな中、鈴木は日頃の練習で取り組んでいる、サーブ&ボレーやリターンダッシュで、ネットに出ていく展開を試合でも試みる。ファイナルセットでは、振られてもニュートラルに戻してから、自分のペースに持ち込んでいけるようになり、今年2度目の全国優勝を果たした。

「第1シードというプレッシャーの中、勝ち抜いたのは自信になります」と笑顔を見せる鈴木。「1試合1試合、乗り越えるのが必死」だったと言うは、安全なプレーに頼らず、練習してきたプレーを試合でトライし続けたからこそだろう。今後は海外にも挑戦してレベルを上げていく予定だ。

鈴木美波
西脇美結

■14歳以下決勝の結果

〇男子シングルス

遠藤栞吾(WC)[4] 6-2 6-3 橋本大輔(関東)[6]

〇女子シングルス

鈴木美波(東海)[1] 6-3 4-6 6-1 西脇美結(関西)[7]

〇男子ダブルス

川口孝大/橋本大輔(WC/関東)[1] 6-3 6-2 寺内龍大/川村准椰(関東)[2]

〇女子ダブルス

柴山那奈/藤山羽優(中国) 6-2 6-1 大越梨華/阪口心乃(東海)

取材・文/保坂明美、赤松恵珠子