各年代のトップを決める「ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権2024」が8月26日から9月6日にわたり、有明テニスの森公園テニスコートで行なわれている。9月5日には、16歳と18歳以下の男女シングルスとダブルスの準決勝が実施された。
男子の16歳以下では1学年下の選手2名が準決勝に残った。現在14歳の奈良恒輝は、戸邉悠真と対戦し、6-1、6-2で決勝進出を決めた。「いつもは集中力が途中で切れて、相手に流れがいく場面があるけど、今日はチャレンジャーだと思って最初から集中することができました」と勝因を語った。
明日の決勝については、「川西選手はサービスが良いので、リターンでしっかりブロックしてラリーにつなげて得意のフォアで決めたいと思います。決勝では自分の出せる最大限のプレーで優勝できたらと思います」と意欲を見せる。
昨年の全日本ジュニア14歳以下で優勝している柳宏優は、第4シードの川西飛生と対戦し、1-6、2-6で敗れた。「準々決勝まで良い調子でしたが、1大会を通して良いパフォーマンスを続けられませんでした。集中力を持っていかれたのが課題です」と敗因を明確にしている。
しかし、ノーシードで準決勝まで全てストレート勝利は立派な結果だ。この後は、「日本でのITFジュニア大会が始まるので、そこで良い成績を出して、年末にITF300位が目標です」とプロを視野に入れ、計画を立てている。
18歳以下の女子準決勝ではノーシード対決が実現し、井出葵が6-3、6-4で荒川愛子に勝利した。井出は先月に行なわれたインターハイのダブルスで準優勝しているが、シングルスは出場できていない。全日本ジュニアの最高成績はベスト16だ。
今大会での快進撃について、「ドロー運が良かった」と言いながらも、「前日の試合が遅くなってもケアを万全にして準備ができるようになりました。自分の調子が悪くても、試合中にどうにか補って考えながらやれるようになりました」と、準備をしっかりと行なうことで好成績につながっていると言う。
シングルスでの初めての全国決勝の舞台について、「決勝まで来たので、自分のプレースタイルを貫いていきたいです」。ダブルスで培ってきた、鋭いサービスとネットプレーを武器に、初の頂点を目指す。ダブルスも決勝に進んでおり、単複2冠の可能性もある。
■16歳以下準決勝の結果
〇男子シングルス
奈良恒輝(グリーンテニスプラザ)[7] 6-1 6-2 戸邉悠真(吉田記念テニス研修センター)[8]
川西飛生(町田ローンJrアカデミー)[4] 6-2 6-1 柳宏優(ISHII TA)
〇女子シングルス
早坂来麗愛(仙台育英学園高校) [1] 6-2 6-3 三枝夏子(Team Satellite さくら野火止)[10]
上方璃咲(野田学園高校)[7] 6-4 6-3 杉山優那(Team Rise)[12]
〇男子ダブルス
中川晶生伶/太田周(海星高等学校/大分舞鶴高校) 6-1 7-5 川島想/高橋央太郎(First-J Junior Team/大分舞鶴高校)
川西飛生/松村怜(町田ローンJrアカデミー/あおやま庭球塾) 7-5 6-4 今井力輝/加藤慶(磐田東高)
〇女子ダブルス
上方璃咲/阿部千春(野田学園高校) 6-3 6-2 有馬璃音/米山心(CTA個人会員/オールサムズTC)
早坂来麗愛/髙橋芽衣(仙台育英学園高校/ウイニングショット) 6-4 7-6(2) 安川結音/札場花埜(ロイヤルSC TC/初石TC)
■18歳以下準決勝の結果
〇男子シングルス
富田悠太(ノアTA神戸垂水)[1] 7-6(4) 6-3 宮川侑士(浦和麗明高校)[9]
逸﨑獅王(トップランAIOI)[11] 6-2 6-1 﨑山耀登(東山高)[6]
〇女子シングルス
野口紗枝(レニックスTS)[7] 6-2 6-4 河野望奈(岡山学芸館高等学校)[1]
井手葵(沖縄尚学高校) 6-3 6-4 荒川愛子(大商学園)
〇男子ダブルス
上田頼/稲木友望(MSS橘TA/Team YUKA) 7-6(7) 5-7 15-13 平井詳大/野上剛瑠(SYS TC)
土海悠太/木村一翔(関西高校) 6-1 6-3 曽根大洋/杉本一樹(法政大学第二高校/Team YUKA)[5]
〇女子ダブルス
井手葵/水口由貴(沖縄尚学高校) 6-2 6-2 上野梨咲/井上季子(やすいそ庭球部)
川崎このは/網田永遠希(野田学園高校)[5] 7-6(6) 7-5 藤井梨奈/野口紗枝(レニックスTS)
取材・文/赤松恵珠子