ジュニアたちにとって国内で開催される最高峰の戦い「ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権2024」。今年は初めての試みとして、車いすテニスが9月4日から9月6日にわたり、有明テニスの森公園テニスコートで行なわれた。9月6日には決勝戦が実施され、橘龍平が門脇圭祐に6-1、6-2で勝利して初代チャンピオンとなった。
出場メンバーは男女混合の8名で、4名ずつでラウンドロビンを行ない、上位2名が決勝トーナメントに進出できる。橘はラウンドロビンを快勝し、決勝トーナメントでも圧勝して頂点に立った。
「初めてのコロシアムで緊張しました」と言う橘は2007年9月22日が誕生日で現在は16歳。今大会には18歳以下の選手が出場できるが、2007年生まれには強い選手が集まっているそうで、決勝の相手の門脇も2007年生まれ。その中でも、橘は「日本のジュニアには、7年ぐらい負けていない」という圧倒的な存在だった。門脇も「(橘は)かなりうまいので、一番近い目指す目標です」と言う。
ITFジュニアランク10位の橘は「海外のトップ2はレベルが高いので、そこを目指して練習しています」と言い、門脇は「将来的にはパラリンピックでの金メダルが目標です」と大きな目標を掲げている。
将来有望な彼らにとって、健常者と同じ大会でプレーできたことはプラスになっているようで、橘は「立位の人の迫力あるプレーは憧れます。自分のプレーに取り入れていきたい」と刺激を受けた様子。「もっとうまくなって、またコロシアムでプレーしたいです」とモチベーションにもなっている。
国枝慎吾、小田凱人に続く選手を育成するためにも、重要な役割を果たす大会に成長しそうだ。
■準決勝・決勝の結果
〇決勝
橘龍平(浦安ジュニア車いすTC) 6-1 6-2 門脇圭祐(仙台育英学園高等学校)
〇準決勝(9月5日に実施)
橘龍平(浦安ジュニア車いすTC) 6-4 6-0 松岡星空(BREAK THROUGH)
門脇圭祐(仙台育英学園高等学校) 6-3 6-2 矢野蒼大(福岡県立嘉穂高等学校)
取材・文/赤松恵珠子