各年代のトップを決める「ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権2024」が8月26日から9月6日にわたり、有明テニスの森公園テニスコートで行なわれた。9月6日には、16歳以下の男女シングルスとダブルスの決勝が実施された。

女子決勝は、第1シードの早坂来麗愛と第7シードの上方璃咲の対戦となった。第1セット序盤で上方がリードするが、逆転を許してしまう。「まくられた時に焦りが出てしまうことがあった」と言う上方だが、落ち着きを取り戻してタイブレークを制すると、第2セットは流れを離すことなく、7-6(4)、6-1で勝利して、全国大会初制覇を果たした。

早坂とは以前に対戦しており、2-6、0-6で「ボコボコにされた」。その時は「下がってプレーして先に打たれた」ため、今回は「打たれても自分も打ち返して取り返しました」と成長した姿を見せた。

上方は早生まれの16歳で学年としては1つ上になるため、18歳以下のカテゴリーにも出場してもおかしくはない。しかし、昨年の今大会で3回戦負けたことが悔しく、再度16歳以下で出場することを1年前に決めた。「年下が多くてプレッシャーがあったけれど、1年前から狙ってきました」。1年越しの目標を達成した上に、ダブルスでも優勝して、喜びも2倍になった。

上方璃咲
早坂来麗愛

男子決勝は、第4シードの川西飛生と、1学年下の奈良恒輝の初対戦。川西はサービスで主導権を握るものの、ラリーになると守る場面が多かった。「高校に入って練習量が多くなり、しぶとくプレーできるようになった」と言う成果を見せて、第1セットを奪取。第2セットを落とすものの、ファイナル3-2から「ギアを上げられて、リターンでも打っていけるようになった」と3ゲーム連取して、6-3、3-6、6-2で大会を制した。 

しぶとさに加えて成長した点がサービス力。決勝でも重要な場面でサービスに助けられるシーンがあり、「0-30になっても、サービスエースやサービスのフリーポイントでタイに戻せるようになった」と言う。現在177センチの身長はまだ伸びており、さらなるサービス強化を考えている。

「優勝を狙っていましたが、大会前は調子が悪かったので、勝ち切れて良かったです」と、準決勝、決勝と年下の挑戦を受けた川西は少しほっとした様子。今後は、「ITFの大会でも良い結果が出せるように頑張ります」。世界で戦うためには、サービス力向上は大きな助けとなるだろう。

川西飛生
奈良恒輝

■決勝の結果
〇男子シングルス


川西飛生(町田ローンJrアカデミー)[4] 6-3 3-6 6-2 奈良恒輝(グリーンテニスプラザ)[7] 

〇女子シングルス

上方璃咲(野田学園高校)[7] 7-6(4)6-1 早坂来麗愛(仙台育英学園高校) [1]  

〇男子ダブルス

中川晶生伶/太田周(海星高等学校/大分舞鶴高校) 4-6 6-4 10-8 川西飛生/松村怜(町田ローンJrアカデミー/あおやま庭球塾)

〇女子ダブルス

上方璃咲/阿部千春(野田学園高校) 6-1 3-6 10-3 早坂来麗愛/髙橋芽衣(仙台育英学園高校/ウイニングショット)

取材・文/赤松恵珠子