国際テニス連盟(ITF)にはジュニア部門がある。18歳以下カテゴリーで13歳以上の選手が出場可能であり、プロツアーと同様に、グレード別に毎週、世界中で大会が開催されている。

その最上位の大会が、ジュニアグランドスラムであり、ジュニア選手の一つの大きな目標となる。このITFジュニア大会でジュニア世界ランクを上げながら選手を育成強化し、その後のシニアへ移行させていくのが一般的なプロテニス選手としての過程になる。

理想的にはこの海外遠征をできるだけ多く組み込んでいくことで、錦織圭もジュニアで世界ランクを上げてグランドスラムのジュニアの部で活躍を果たした。だが、そこにはやはり多大な資金が必要であり難しい側面も多い。国内トップ選手になれば、日本テニス協会から派遣される遠征もあるが、多くは自費での大会参加となる。
欧米では、将来有望なジュニア選手に対して、支援をする企業や個人が存在するが、日本ではまだ希である。

日本代表のジュニアで世界を転戦し活躍する田島尚輝は、14歳以下のグレード1大会で、世界の世代トップ選手が集まるヤングスター・トーナメントで準優勝という戦績も残している。
13歳の田島尚輝、錦織圭凌ぐ活躍

現在は、世代代表にも選ばれながら、ITFジュニアの大会で強化を続けている。この7月には、ナショナル遠征として、オランダとチェコに渡りITFグレード4大会にエントリー。これが通算、23回目の海外遠征となる。海外での試合に拘るのは、日本人には必須である体格差の克服のため。これはやはり、10代の早い時期から必要な過程であるだろう。海外経験豊富な田島選手の将来がどうなるのか、興味深い。

1週目のオランダ大会の結果は、シングルスは3回戦敗退も、アルバ選手と組んだダブルスは第2シードに勝利しベスト4の活躍を果たした。

記事:長嶋秀和