3月16日 アメリカ西海岸、インディアンウェルズで行われている BNP パリバ・オープン(男女共催 ATP1000/WTAプレミア)、グランドスラム大会に次ぐ格のビッグ大会で世界44位の大坂なおみ(日清食品)が今度は現世界1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)を6-3、6-0のストレートで破った。
日本女子選手が現役世界1位を破ったのは、1996年の伊達公子以来22年ぶりのこと。(伊達は4月のフェド杯ドイツ戦、グラフに7-6(7), 3-6, 12-10で勝利。続いて11月のWTAチャンピオンシップでセレスを破っている。)
「とてもハッピー!
スコア的にはイージーに思われるが、イージーではなかった」
と勝利直後のコート上インタビューで大坂は答えたが、僅か63分の快勝。
この冷静さと謙虚さならツアー初優勝も夢ではないように思えた。
大坂の決勝進出は準優勝だった2016年9月の東レPPO以来、2度目の事だ。
「勝ち切るのは大変」と言う大坂の成長
<<準決勝>>
〇大坂なおみ 63 60 ●S・ハレプ
これまでの対戦は大坂の3敗。最近の対戦は今年1月の全豪オープン4回戦。
大坂は持ち味のパワーが出せずに3-6,2-6のストレートで敗れている。その前の2試合はフルセットに縺れる大接戦だったのだが。
長所封印された大坂 全豪ハレプ戦記事
対戦成績 大坂0-3ハレプ
ハレプはその時
「(大坂にとって、)今日の結果は思い通りではなかっただろうが。
確実にもっと強くなり、将来WTAを背負う将来有望な選手になるだろう」。
と一方的な結果に驚く報道陣に大坂の強さを伝えてくれていたが、今日の大坂はその言葉通りだった。
全豪ではペースを変え、大坂の攻めはやる心を翻弄したハレプだったが、
「今日もベストを尽くしたが、大坂の方が上回っていた。
しっかり準備できていたし、良いプレーをしていた」と完敗を認める。
「こんな展開に驚いたが、スコアなど考えず、集中することだけを考えた。
1ポイント、1ポイントプレーした」と大坂は言う。
6-3、5-0、まだ試合は始まってから1時間もたたずに大坂はマッチポイントを握る。
その時、大坂は時速120キロにも満たない遅いファースト・サーブを放った。
それは勝ちビビリ?または打ち損ない?200キロを越す弾丸サーブが打てるのに?と記者から質問されると、
「エースより、相手にプレーさせるサーブを選んだ。」と言う。
なぜなら「今日の自分のファースト・サーブの確率は良くなかったから」その選択をした。
目の前の勝利を決してあせらなかった大坂の成長があった。
最初のマッチポイントはものにできず、デュースは6回を数える。
3度目のマッチポイント、ラリーが続く、
粘っこいプレーが持ち味のハレプだが8回目ラリーで放ったバックがネットにかかる。
大坂なおみがNo.1を破った。
決勝では、V・ウィリアムズ(米国)を3時間の激戦の末に下した19位のダリア・カサトキナ(ロシア)と対戦する。20歳同志の両者は初対戦。
現地19日(日)、午前11時(日本時間20日朝3時)からの予定だ。
TV放送はなし、だがDAZN(有料)で視聴可能
記事:塚越亘/KyokoOga/塚越景子 写真H.Sato/TennisJapan