3月21日(水) アメリカ、フロリダ州で行われているマイアミ・オープン、グランドスラム大会に次ぐ格のビッグ大会。
大坂なおみ(日清食品)は夢だったセリーナ・ウイリアムズ(米国)との対戦が叶うだけでなく、憧れのプレーヤーを6-3、6-2で破った。
前週に初めてツアー優勝した大坂なおみ。対するセリーナ・ウイリアムズのツアー優勝は72回。その内、23回はグランドスラム大会に優勝している偉大な選手。
そんなレジェンド、セリーナを大坂は日本女子プレーヤーとして初めて破った。これまで、セリーナと日本女子選手の対戦は9回あり、1セットも取ったことがなかったが。
セリーナを本気にさせた大坂なおみ
ウイリアムズ姉妹の活躍がきっかけで、テニスを始めた大坂姉妹。
特にセリーナは大坂にとって「彼女がいなければテニスはしていない」と言うほどの憧れの存在、一番対戦したい相手だった。
勝利直後のコート上のインタビューでは
「(セリーナとの対戦は)私の夢だった、戦えて本当に嬉しい。
真剣に戦い『カモン!』とセリーナが発した声を聞いて、嬉しかった」と言う。
コートに現れた二人。
いつものように気負いは見えない大坂。
対するセリーナは真剣に素振りをする。
ボクシングのタイトルマッチ戦のようなチャンピオンが挑戦者に対してかけるプレッシャー、試合前の緊張感が漂う。
「コートへ入った時は、すごく緊張していた。私の憧れの選手との戦いだから」と大坂。
セリーナのサーブで始まった試合は、角度のあるサーブからオープンに決めるなど、ラブでキープする。
大坂も同じような角度あるクロスのサーブを放つが、リターン・エースを決められた。
40-15からダブルフォルトなどもあり、デュースに縺れ、ゲームポイントでまたダブルフォルト。ブレーク・ポイントも握られた。
デュースの末にやっとキープする。1-1
3-3、までは大坂の緊張が感じられるゲーム展開。
そのゲームをキープすると第7ゲームをブレークする。
3-5、セリーナのサーブで40-0。
セリーナがここをキープし、競り合い続け、大坂にプレッシャーをかけると思われたゲーム展開だったが、プレッシャーがかかったのはセリーナの方だった。
ここをキープできず、2度目のデュース。
大坂はセリーナを、ストロークで左右にふりまわし、先手を取り、揺さぶる。
16回目のショットを決め、大坂はセットポイント。
セリーナのフォアはロングで大坂は第1セットを取る。
第2セットも大坂のプレーがセリーナを上回る。
マッチポイントはイージーと思われる短いボールをセリーナはロングにしてしまった。
「自分の準備は完璧ではなかったが、『なおみは素晴らしいテニスをした』私も見習いたい」とセリーナは記者会見に現れずに、大坂のプレーぶりを褒めるコメントを発表した。
試合後の記者会見はプレーヤーの義務なので、ペナルティー(罰金)が科せられるかもしれない。
その事を充分に知っているセリーナ。それだけ真剣に戦った末の、悔しかった一戦だったのかもしれない。
杉田祐一敗れる ダニエル太郎も
男子1回戦で世界43位の杉田祐一はオランダのR.ハッセ(44位)に4-6, 6-3, 1-6のフルセットで敗れた。
第2セットを落としたハッセはラケットをネットに叩き付け、荒れていた。
主審のジャッジの注意に「聞きたくない!」と怒る。
ファイナル・セット、最初のゲーム、ハッセのサーブで30-30にする杉田。
流れは杉田にきたように見えたが、ブレークできず、続く自分のサーブを落とすと0-5になってしまった。
前週にジョコビッチを破り大活躍したダニエル太郎だったが、予選決勝でオーストラリアの21歳、最高ランキング69位のT・コキナキスに5-7, 5-7のストレートで敗れ、本戦入りを逃した。
西岡良仁は予選勝者のA・デ ミナー(オーストラリア)と明日22日に対戦する。
錦織圭、大坂なおみの2回戦は23日(金)
第26にシードされ、2回戦から出場の錦織圭の対戦相手は96位、オーストラリアのミリアンとなった。
大坂なおみは2回戦で第4シードのエリナ・スビトリナ(ウクライナ)と対戦する。
二人の対戦成績は2勝2敗。
(記事 塚越亘/塚越景子 photo/H.Sato/TennisJapan)