いよいよ大会も大詰め。大会13日目となる28日には、女子シングルス決勝が行なわれる。対戦するのは第3シードのビクトリア・アザレンカ(22歳、ベラルーシ)と、第4シードのマリア・シャラポワ(24歳、ロシア)。


過去の対戦では3勝3敗のタイ。直近の対戦は昨年初夏のローマで、シャラポワが勝利しているのだが、この時はアザレンカの途中棄権。準決勝後の記者会見で「最近、彼女には連敗している」とシャラポワは言っているのだが、彼女の中では同年のマイアミ、2010年のスタンフォードの決勝で2度当たり、2連敗しているのがかなり印象に残っているのだろう。
「大事になるのは戦術」。シャラポワはそう話している。そして「彼女は相手に余計にボールを打たせようとしてくるだけでなく、同時に攻撃的でもある。私は私らしく攻撃的にプレーする必要があると思う。守備的な展開を強いられたら、かなり危ないと思っているわ」と続けた。このオフの間に鍛えられ、安定感が増したアザレンカのプレーについて、相当の警戒心があるところをうかがわせた。
一方のアザレンカは、シャラポワについて「この全豪での決勝はもちろん、優勝したこともある。経験豊富でタフな相手なのは間違いないわ。難しい試合になると思うけど、戦うのは楽しみ」と話している。
両者ともに先制攻撃型のプレーヤーで、自分から先に仕掛けて崩し、トドメを刺すのがスタイル。それもかなり早い展開を好み、ロングラリーで組み立ててというよりも、3本目にはポイントを狙っていくタイプだ。少しでボールを浮かせてしまえば即攻撃してくる相手。お互いにそう考えていることだろう。
こういう関係性の選手同士が戦う場合、ノーガードの打ち合いになるか、お互いに慎重になる中、先にミスを出した方がリードされる接近戦のどちらかになりがちだが、競った展開になった時に物を言うのはサービス力と、冷静さを保ち、最後の最後までボールと勝利に執着するメンタル。準決勝でのダブルフォールトが10本を超え、サービスにやや不安を見せたシャラポワに対して、アザレンカは今のところ技術的な部分での隙を見せていない。
アザレンカは初のグランドスラムの決勝。シャラポワは相手が緊張しているであろう序盤から一気に攻勢に出て、主導権を握る短期決戦が理想的な展開だろう。逆にアザレンカからすれば、ナーバスになってしまうのはある程度受け入れて、序盤に突き放されずに付いていければ、勝機も見えて来るはず。第1セットの攻防と、サービスとリターンの入り具合が鍵を握るだろう。
女子では安定感が抜群のウォズニアッキが君臨していたことで、GS無冠のナンバー1が長く続いていたが、今回は勝った選手が次週でランキング・ナンバー1。2012年最初の真の女王決定戦となる。激戦を期待したい。
注目の決勝戦は、メインコートとなるロッドレーバーアリーナで現地午後7時30分(日本時間午後5時30分)以降に開始される。