1月22日 「2022 全豪オープン」 6日目
ダニエル太郎(エイブル)の全豪オープンでの快進撃は次世代のトッププレーヤー20歳、世界10位の J・シナー(イタリア) に4-6、6-1、3-6、1-6で敗れ残念ながら終わった。
戦後、松岡修造、錦織圭に続き日本男子3人目のグランドスラム大会ベスト16入りの快挙はならなかった。
セットオール、勝負のかかった第8ゲーム、ピンチからデュースに持ち込むと、ダニエル太郎はなんとダブルファーストサーブを放つ。
勝負をかけたダブルファーストはフォルトになった。
「マックスのリスクを冒してプレーしたら、今までにないミスになってしまったが、あれは、やってよかったと思う。
結果的に流れはもっていかれたけど、次にトップ選手達とやった時に、この場面では『絶対粘ってくる』と思っているところに、ダブルファーストを打ったりしたら、相手のリズムを崩せると思うし、今日は(失敗し)効かなかったけど、これから効いてくることがあると思う」とダニエルは敗戦を糧にさらなる高みを求めたテニスをしていた。
昨日は勝つ事ができませんでしたが最高な経験ができました。現地でもテレビでも応援ありがとうございました!これからもよろしくお願いします!また予定は報告します。Thanks to @AustralianOpen for the great atmosphere last night! Will be back for more next year 💪 pic.twitter.com/orU1e0BJ5m
— ダニエル太郎/Taro Daniel (@tarodaniel93) January 23, 2022
予選3試合をストレート勝利で本戦に勝ち上がり(厳しい予選突破だけでも凄いことだが)、本戦1回戦、2回戦もストレートで勝利、特に2回戦では元世界No.1、金メダリストに2回、ウィンブルドンも2回優勝している超しぶといプレーヤーの アンディ・マレー(イギリス)の実績に臆せることなく、ストレートで破る快挙は素晴らしかった。
ダニエル太郎
テニス進化 覚醒
<<男子3回戦>>
●ダニエル太郎 4-6 6-1 3-6 1-6 ◎J・シナー
(試合データー)
第1セット
ダニエルのサーブからスタートしたオープニングゲーム、
ファーストサーブの確率が悪く、いきなりサーブ落とす。
そして第3ゲームのサーブも落とし0-3という嫌なスタート。
第4ゲームで30-40とブレーク・バックのチャンス。
深いボールをシナーがミス。1つブレーク・バックに成功する。
続くサーブはラブでキープし2-3とするダニエル
「入れ返すことで自分の良さが出せる」とスピンの効いた軌道の高いボールで返球、ペースを掴むと第6ゲームもブレークに成功。
3-3とした‼
これからと思ったが、直後のサーブをシナーの強力なショットで攻められ、ラブで落としてしまった!
5-4、シナーのサービング・フォ・ザ・セット、
初のダブルフォルトなどで0-30とするが、40-30とセットポイントを握られた。
なんとシナーはまたダブルフォルト。
デュースに持ち込み、チャンスがくるかと思ったが、シナーはTへサービス・エース、
そしてグランド・スマッシュを決め6-4でシナーが取る。
ダニエルは粘り強くプレーしていったが、第1セットを落とす。
第2セット
ダニエルのサーブ、
シナーのスーパーショットなどでデュース後にブレーク・ポイントを握られたが1-0とキープ。
なんとシナーは40-0からダニエルにリターン・エースを決められるなどデュースの末にサーブを落とした。
ダニエル2-0とリードだ。
第3ゲームでブレーク・ポイントをダニエルは握られたが走り負けず、ナイス・キープで3-0。
お互いのドロップ・ショット合戦などを制し、ダニエルがまたシナーのサーブをブレーク。
サービス・エース級を決め5-0とする。
5-1、ダニエルのサービング・フォ・ザ・セット、
サーブからクロスをオープンに決め、40-15とセットポイント。
シナーのリターンがロングになり、ダニエルが6-1で取り返えした。
ダニエルものってきている。いいぞ、その調子だ。
第3セット
前に出てきたシナーをフォア強打で沈め、15-30とするがシナーが1-0とキープ。
ダニエルのサーブ、こんどはシナーが30-40とチャンスを作るが、
ダニエルは攻められるが逆襲し、ナイスキープ。1-1。
シナーは0でキープ、2-1。
1-2、ダニエルのサーブ、15ー0。
ダニエルが打ったフォアが、とんでもなくアウトした。
すると、シナーが、ボールの空気が抜けていると申告する。
黙っていれば、そのままシナーのポイントになるところなのに。
やり直しのポイントはダニエルが取り、30-0、そのままダニエルはサービスゲームをキープした。
シナー、20歳の若さなのに、見事なフェアプレー精神!!!!!!!立派!!!!
ダニエルの3-4のサービスゲーム、
ダイエルの勝負をかける意気込みが凄かった。
勝負をかけたフォアが僅かにワイドになるなど、0-40となるがデュースに持ち込む。
1回目のデュース、ファーストサーブはフォルトになると、
なんとセカンドサーブも勝負をかけてダブルファーストサーブを放つ‼
「シナーがすごくレベルを上げてきた。
最初にスーパープレー続けられて0-40になってしまった。そこでマックスのリスクを冒してプレーして、デュースに戻した。
もう一度リスク覚悟でプレー(ダブルファースト)したら、今までにないミスが出てしまった。結果、流れはもっていかれたけど、あれは、やってよかったと思う。
例えば次にトップ選手達とやった時に、この場面では『絶対粘ってくる』と思っているところに、ダブルファーストを打ったりしたら、リズムを崩せせると思うし、今日は(失敗し)効かなかったけど、これから効いてくることがあると思う」勇気を持って、次のレベルに上がる為の選択だったのだ。
このゲーム、ダニエルは0-40から合計4本のブレーク・ポイントを凌いだが、2度目のデュースで5度は防げずサーブを落とす。
勝負の分かれ目となったこのゲームを落とし、ダニエルは3-5となってしまう。
シナー5-3のサービング・フォ・ザ・セット、40-15のセットポイント。
ここでもダニエルは粘り、デュースに持ち込む。
デュース2回、4度目のセットポイント、シナーはリバース気味なサービス・エースを決めた。
勝負どころをシナーが6-3で取った。
第4セット
ちょっと脚にきたか、ダニエル、30-40からネットへダブルフォルトで0-1。
シナーは15で2-0とキープする。
「さすがトップ10!
ちょっと疲れてたなという時に、ぐっとレベルを上げてきたのはすごかった。
『なんじゃこれ』と正直思った」とダニエル。
第2、第3セットは押し続けたら、「崩せる可能性がある」かなと思ったが、そこでトップ10のシナーは立ち直ってきた。
ダニエル、1-5のサーブ、
パスを抜かれ30-30、リターンを叩かれ、30-40とマッチポイントを握られる。
2度のマッチポイントはしのぐが、2度目のデュース、3度目のマッチポイントを決められダニエル太郎は敗れた。
ナイスファィトの二人に拍手、拍手、拍手が続く。
「マレーの時にやったことが、たまに効いたり効かなかったり、マレーの時に効いていたものがシナーの時には効かなかった。
自分が足りない部分も感じたし、彼のテニスも良かった。そこら辺もまた修正していき次に生かしていきたい。」
2時間41分の激戦。
ダニエル太郎のテニスが変わった、覚醒していた。
それはポイント、ポイントごとにその時の勝ち負けではなく、高いレベルに成長したいと言う気持ちでプレーしている積み重ねからだろう。
1993年1月27日生れ
身長191cm 体重80kg
出身地: 米国ニューヨーク
父はアメリカ人のポール・ダニエルさん
母は日本人の泰江(やすえ)さん。
父が入っていたむさしの村ローンテニスクラブ(埼玉県加須市)でテニスを始める。
小6、12歳までは日本で育つ。
父の転勤にともなってスペイン、バレンシアに移住。
そこのテニスアカデミーで、世界4位のフェレ-ルをはじめスペインなどトップ選手(サフィンもいた)とともにトレ-ニング。
出身校: 久喜市立太田小 - 名古屋国際学園中 - ローラルスプリングスクール高卒
プロ転向: 2009年2月
テニスを始めた年齢: 5歳
コーチ: 高田充(JTA)
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ダニエル太郎 グランドスラム大会成績
ダニエル太郎 弱気克服 ジョコビッチ破る(2018年インディアンウエールズ記事)
ダニエル太郎 強さの秘密は 自然体な人柄
本戦: 1/17(月) - 1/30(日)
予選: 1/10(月) - 1/14(金)
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ライブスコア
<<男子シングルス>>
西岡良仁、ダニエル太郎出場
男子本戦 ドロー 本戦ドローATP版
男子ダブルス ドロー
<<女子シングルス>>
大坂なおみ、土居美咲、日比野菜緒出場
女子本戦 ドロー
女子ダブルスドロー
ミックスダブルス ドロー
<<予選ドロー>>
ダニエル太郎、内山靖崇、添田豪、綿貫陽介、
男子予選ドロー
日比野菜緒、本玉真唯、奈良くるみ、 宮崎百合子、内藤祐希
女子予選ドロー
記事:塚越亘/塚越景子 photo H.Sato