どのサーフェースでも活躍できる鍛えられた才能

2015年、全日本ジュニア16歳以下優勝の高校1年生、昨年には15歳で全国選抜室内ジュニア18歳以下で準優勝と活躍している選手、日本テニス界の海外に挑む、注目のジュニア選手たちの1人が堀江亨(16歳)だ。

見た目はお洒落、元気があふれる少年だが、コートに入ると恐ろしい迫力で対戦相手に襲い掛かる。まるで動物のように躍動感あふれ、鍛えられたフットワークでボールを鋭く叩き込む。速い動き、ラケットのスイングスピードも、全身をバネのように使うダイナミックなテニスが持ち味だ。空手で全国大会優勝の経験もあり、筋肉も柔らかいくスライドフットワークも難なくこなしディフェンスでも優れた才能を見せている。

10月の愛知県・東山公園テニスセンターにて開催されたDUNLOP SRIXON ジャパンオープンジュニアテニス選手権大会では、ウインブルドン・ジュニアでベスト16と活躍、一つ上の学年でもある綿貫陽介(17歳)と決勝で対戦し勝利した。グレード2大会で初の優勝で100ポイントを獲得、また韓国で行われたグレードB1大会で準優勝し120ポイントを加え、2世代上の選手がひしめく中で世界ランク38位まで上昇させている。

ジャパンオープンでは準決勝で今年の全米オープンジュニアベスト4のアレックス・デ ミノール(16歳、オーストラリア)に6-0、3-6、6-2のフルセットで勝利するなど、1999年生まれでは世界ランクでトップに位置している現状に日本男子テニス界は希望にあふれる。

CIMG2393

ヨーロッパで日本代表として活躍、世界のトップに勝利した自信

堀江はこの1年、ジュニアの世界ランクを大きくランキングを上昇させている。ニュージーランド3大会からスタート。さらにタイ、ブルネイ、マレーシアとアジアの大会で活躍した。

5月にはクロアチアで1ヶ月のトレーニングを積みながらハンガリー、ドイツ、オランダとヨーロッパで5大会、中国の遠征を挟み、スペインで開催された16歳以下の国別対抗戦、ジュニアデ杯で日本代表のエースとしてスペイン、米国のエースに勝利し日本が世界4位へ躍進に貢献する活躍している。

堀江は「パワー負けがあまりなくなって攻めて行くボールが入るようになったしサーブもよくなりました。そして攻撃の時のフットワークもよくなり、ミスが少なくなった事です」と躍進の要因を話している。

今季は長くなりがちな海外でのコートでラリーを終わらせるための強烈な武器であるフォアハンドが冴えた。堀江が活躍できた1番の要因は、躍動感あるフットワークと類を見ないテンポの速いテニス、必要な多彩なショットを一つずつ加えた事、そして全日本ジュニアなどの国内大会と別に21大会の国際大会で得た経験が1つの理由であろう。

堀江亨

世界を意識した環境での練習

普段練習を行うのは、東京都町田市に拠点を置くTEAM YONEZAWA。チームの代表コーチ、米沢徹は世界ランク8位の錦織圭(25歳、日清食品)を米国留学時代に3年間指導したコーチだ。

「亨は丁寧なプレーでニュートラルなボールをコーナーに深く送り、甘くなったボールをダウンザラインにコースを変え、そこから多彩に攻め込んでいく。素晴らしい才能を持った選手」と話してい。現在は岐阜より家族で横浜に引っ越した。練習時間は4時間、そしてトレーニングに励んでいる。

堀江亨は来年の全豪オープンでグランドスラム初出場を果たす。シードが付くぐらいのラインキングで挑む。また南米遠征でクレーコート(レッドクレー)で球足が遅く、ボールがよく跳ねる環境へ挑み、更なる飛躍を誓っている。

記事:長嶋秀和