2012フロリダツアー報告
今年のフロリダキャンプ第一陣は11月21日からサラソタに入りIMGアカデミーで開催されるエディハーからのスタート、第二陣は11月29日マイアミ入りしてアメリカンテニスカップからのスタートだった。
メンバーは12歳以下、14歳以下が中心の中18歳16歳の選手の参加もあった。引率コーチは渡辺大輔コーチ(グローブライド)、石光孝次コーチ(遊ポートTC)、酒井亮裕コーチ、Levante Faludeコーチ(ハンガリーナショナルコーチ)そして米沢徹が21名の選手たちのお世話に当たった。
第一陣はタンパ空港に入りマイアミからレンタカー会社に輸送して貰った二台のバン
に乗り込みサラソタのホテルに入った。IMGはブラデントンに有るが2デイトーナメントの会場のある隣町のサラソタと真ん中当たりのホテルを取ることにした。
エディハーはジュニアオレンジボウルの前哨戦にあたる世界中から選手達が参加する大会だ。12歳以下から18歳以下まで同じ会場で開催される大規模な大会。18歳以下はITFグレード1の大会になっている。
結果は上位の選手に善戦はしたがまだ1週目と言う事で上位に勝ち残るまでは至らなかった。
我々の目標は大きな大会である程度の結果を残す事も大事だが日々の練習とトレーニングそしてテニス選手としての生活習慣を身につける事が大きな狙いだ。
フロリダの朝は早い。6時までに起きるのは常識だ。日が出る前にコートに陣取ってアップを開始、ボールが見えるようになったらテニス開始だ。世界中から選手たちが集まってくるフロリダの11月から12月はコートの確保が大きなポイントだ。
夕方には出来るだけトレーニングを習慣付けた。自分の体を使ってのトレーニングは体操のような意味がある。テニスの量が多すぎて怪我しないために必要不可欠な基本的なトレーニングそしてランニングだ。
2週目はマイアミに移動だ。移動も2台のバンで行った。今回初めてのトラブルが発生、9月から予約していたホテルが行ってみると改装中、ほかのホテルに回される事になった。回されたホテルは我々のニーズとは違ったので結局また他のホテルを探して移動することになった。何とかホテルが見つかったので良かったがマイアミの今の季節のホテル確保は簡単ではない。尚更25人が3週間泊まれるホテルとなれば大変だ。不幸中の幸いでジュニアオレンジボウルの会場の近くに落ち着く事が出来たのはラッキーだった。
マイアミでは恒例のアメリカンテニスカップに参加した。アメリカンカップにも各国のトップが多く参加している。ベスト8に永田杏里(チェリーTC)と田島尚輝(チームヨネザワ)が進出した。アメリカンカップで試合がない日は随時2デイトーナメントに参加した。
2デイトーナメントは2日間で終わる大会。エディハーからジュニアオレンジボウルの間毎日開催されている大会だ。世界中から選手が集まっているので最高に良い試合経験を積むことが出来る。大きな大会のウオームアップそして負けた後の練習のための大会になっている。今回も我々のチームから毎大会優勝者が出るほどたくさん試合をこなした。最も多く試合をした選手は大きな大会も合わせると31試合だった。少ない選手でも1ヶ月で最低20試合は行った。
アメリカンカップが終わるといよいよジュニアオレンジボウルがスタート、予選からの選手は4回戦を勝ち抜いて本戦へ上がることは出来なかったがいい経験になる大会となった。本戦スタートの選手達では女子U12で永田杏里がベスト16まで進出した。杏里はアメリカの2位の選手を破っての大健闘だ。
5位決定戦まであるフィードインコンソレーションでは男子U12 で田島尚輝が本戦1回戦で敗退しながらも9回勝ち抜いて5位-6位決定戦まで残り結局6位の結果に終わる大健闘だった。尚輝は1回戦で対戦して負けその後本戦ベスト8まで残った相手とコンソレ8回戦で再戦となったがストレートで退け力を見せた。全国選抜と全国小学生大会優勝の青木一真(ウイニングショットテニススクール)もコンソレで3回まで進み力を見せた。
ジュニアオレンジボウルは男子U12だけクレーコートで行われた。クレーコートで慣れているヨーロッパ勢と南米勢が上位に進出していた。3年間に渡る夏のヨーロッパでの経験が尚輝の結果に結びついた今回の戦いぶりだった。尚輝にとっては4年目のフロリダでのチャレンジだ。
ツアー中、トレーニングは大切な日課だ。冬でも暖かいフロリダは芝生のグランドも豊富にあり足腰に負担の少ないところでのランニングが叶うのが有難い。出来るだけ走る時間をとるようにした。ランニングとトレーニングはツアー後半で調子を出すためのポイントだ。
食事は大人数なのでサラソタでは中華を出前で注文した。ホテルのラウンジを使って皆でとる食事は賑やかだ。好き嫌いのある選手も食べる事に慣れ食事の量が後半には飛躍的に伸びていた。マイアミではイタリアンの食べ放題とモールの日本食を中心だった。モールの日本食はバランスが取れた内容で好評だった。
1ヶ月を通しての今回のツアーで世界のテニスと日本のテニスを比較したところ今の日本のレベルは決して世界基準に離されていないと感じる。勝敗は紙一重だと思う。これからどれだけ選手たちが本気になってテニスに取り組めるかが鍵だ。海外の選手は日本の選手に比べると練習量が少ないので技術習得に時間がかかるテニスでは時間をかける日本人には大いにチャンスがあると思う。
海外の選手で注目は今年の韓国の選手たちだ。以前に比べると攻撃的なプレーをする選手が出てきているところだ。彼らも真面目に良く練習するので今後日本にとってタフなライバルになることは確実だと感じた。
最後になりましたがこのツアーに快く送り出して下さった地元のコーチの方々、ご両親の方々、渡辺大輔コーチを送り出して下さったグローブライドK.K.様(プリンスラケット)この場をお借りして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
そして不眠不休で選手のお世話に当たった渡辺大輔コーチ、酒井亮裕コーチ兼トレーナー、石光孝次コーチそしてレビーコーチ本当にお疲れ様でした。
そして選手たちにリストバンドや靴下を差し入れてくれた錦織圭君ありがとうございました。
皆の今後の活躍を心よりお祈りしています。
(オレンジボウル優勝のマイケル・モー選手、フロリダに世界のトップ選手が毎年集まります。)
(石光コーチとジュニア選手たち)
(左側からレビーコーチ、酒井コーチ)