4月に行われたビリー・ジーン・キング・カップのカザフスタン戦の観戦レポ、後編です。
まずは前編のこちらをご覧ください!
ホームの力
サッカーなどではホームアンドアウェー方式というものがありますが、個人戦であるテニスではあまり「ホーム」というものは実感しづらいものです。
グランドスラム中継を見ていると、確かに自国の選手は大きな応援を背に戦いますが、テニスにおいて国籍ゆえのホーム有利を感じるのはその時くらい。
グランドスラムの128ドローの中で自国の選手以外の数が圧倒的に多いので、そのシーンも数少ないものです。
ですが、今回私は応援の力とホームの偉大さを目の当たりにしました。
2日目の第1試合は、日比野選手 対 ユリア・プチンツェワ選手。
日比野選手はプチンツェワ選手に過去2戦全敗で、1セットも奪えたことはありませんでした。
ですが、この日は緩急を使って相手のミスを引き出し、最終セットまでもつれ込んでもファイトし続けて素晴らしい勝利を手にしました。
勝利したことをもう知っているので安心して振り返れますが…最終セットは本当に紙一重の戦いでした。
応援している私が何故かどんどん緊張していってポイント中息を止めてしまうくらいで、最後の最後までどちらに転ぶかわからない試合展開でした。
プチンツェワ選手はかなりの実力者です。
この試合では、チャンスボールやドロップのミスが少し出ていましたが、クロスのフォアハンドストロークが物凄く素晴らしく、いつ試合の流れを持っていかれるかわからないような状態でした。
そんな時、日比野選手の背中を押したのが「応援の力」「ホームの力」ではないか?と私は思っています。
最終セットの終盤、どこからともなく日比野選手への励ましの言葉が飛び、スティックバルーンや拍手の音で会場が包まれた瞬間がありました。
ラリーも続き、試合も長引いている中で、両選手の疲れは見てとれるくらいになっていた時、応援している一人ひとりの力をどうか使って欲しいと言わんばかりのエールは、胸にぐっと来るものがありました。
少なくとも私はそんな思いで必死にスティックバルーンを叩いていたわけなのですが、あの一体感は、会場の「がんばれ!」という思いが一つになった結果だったと思っています。
日比野選手は試合後のコートでの勝利者インタビューで「テニスどうこうより」とすぐに応援について触れ「励まされた」と話していました。
私たちの応援が選手に届いて背中を押せていたんだと思うと感激したのを覚えています。
日比野選手も感極まっていましたが、私もその素晴らしい戦いと会場の雰囲気に心打たれて、「応援」っていいな、「スポーツ」っていいなと再認識しました。
あの会場の一体感は、国別対抗戦のホームならではだと思うので、ぜひまだの方は観に行っていただきたいなと思います。
決勝トーナメントへ!
BJK杯のファイナル、決勝トーナメントは11月にスペインのセビリアで行われます。日本は1回戦でルーマニアと対戦、そして勝てば第2シードのイタリアと対戦することが決まっているので、皆さん応援しましょう!
そして、このコラムを読んで「国別対抗戦のホームの雰囲気を味わいたい」と思ってくれた方!
9月14日、15日に男子の国別対抗戦デビスカップのコロンビア戦が有明コロシアムで開催されます。
ぜひ足を運んでみてください。
それでは皆さん、引き続き楽しいテニスライフを♪